コツコツ足音を響かせて歩いてきた人物は学年主任のH先生でした。

H先生は僕の一年生の学年主任で数学の先生でもありました。

かなり年をとった男の先生でした。


説明の前に、不登校になって病院の精神科医に行き、のちにわかったことなのですが、学校にやられた数々の拷問からの耐えられない恐怖により、PTSDという精神病にかかっていました。

何をされたのかはこれからじっくり話していきますが、これから話すそのH先生が行った言動、行動は僕が夢うつろに覚えていることです。

僕は嘘はつきたくないので、うつろなことはうつろだと言っておきます。

ただ、事実ではない作り話ではないとは到底言っていません。

あくまでうつろであって、なんだかぼやけているのです。

受け止められないほどの膨大な恐怖により、体、頭が恐怖体験をなかったことにして、頭を整理すると僕の精神科医の先生が言っていました。


それでは話に戻ります。


始めは不審者であるS君の親父を連れてきたのかと思いましたが、男の気配はなく、ただH先生でした。

始めは男がいないことにほっとしましたが、数秒後に正気に戻りそんなことよりここから出してほしいと思いました。


僕はH先生に

「ここから出してください」

といいました。