このくくりで言えばまずは畜産。
肉牛というと、ブランド牛の代表は、松阪や神戸が世界中に知れ渡っているが、全国の畜産農家のたゆまざる努力の結果、A5ランクをとり続けて今や知名度の高いものだけで、前沢牛、米沢牛、那須牛、常陸牛、村上牛、飛騨牛、近江牛から、ちょっと変わったところでは隠岐牛、対馬牛、石垣牛など(いやいやあれが抜けてる、これがない、などのクレームは一切お受けできません。自分で食べたものだけご紹介しております 笑)20種以上、スーパーでたまさか目にする(ちょっと知らないなぁ、というもの)レベルまで含めるともはや無数にある。昔の地名(国や地方名)が付いているので現在の都道府県を確認してね。
ちなみに、これらブランド牛とは関係なく肉牛の飼育頭数で言うと、北海道、鹿児島、宮崎、熊本、岩手、宮城と続き、北海道・東北と九州(長崎7位、沖縄9位)で飼育が盛んなようだ。
続いて乳牛。お母さん牛が乳牛になり、お父さん牛が肉牛になるのなら飼育頭数は肉牛と同じかと思いきや、全然違うので面白い。1位の北海道は不動の地位(全国シェアの60%)だが、栃木、熊本、岩手、群馬、千葉、茨城と続いているところを見ると、新鮮な牛乳を供給するために大消費地の近くで飼育しているのだろう。
豚でいうと、正直「薩摩黒豚」ぐらいしか知らなかった無知でポンコツな自分にしてみれば、255という登録ブランド数に唖然とする。とはいえその昔、甲府にワインを買いに行ったときワイナリーで、ぶどうを食べて育った豚というものの焼肉を食べたが、イベリコ豚とはまた違ったおいしさがあってビックリした。
で、飼育頭数の県別ランキングでは、愛知・青森がランクインしている以外、肉牛と同じなのでビックリ。もっとも北海道が1位ではなく、やはり鹿児島が1位ではあるが。畜産農家の経営努力によって1品種に依存しないことで競争力を高めていると推測できる。
最後に鶏・地鶏(いわゆるブロイラーで、採卵鶏は除外)も全国で品種改良が日夜続けられているに違いない。有名なブランド鶏といえば、比内地鶏、奥久慈の軍鶏、名古屋コーチン、あと場所は分からないが烏骨鶏。だが、現在数え切れないほどの(すいません、面倒くさくて)ブランド鶏があるのだ。農家や農協、地元自治体の三位一体の必死の努力の賜物、血と汗と涙の結晶。だってロゴとかアイコン(イラスト)とかものすごく凝ってる=お金かけてる、ってことだもの。農家単独では絶対に無理。
で、ブロイラーとしての出荷量は、僅差で宮崎・鹿児島が競っている。その後に岩手・青森・北海道と北日本勢が続き、ベストテンに佐賀、熊本、長崎も入っている九州が鶏の本場、といえる。ちなみに(ちなまなくてもいいが)私武田が、「一生一種類のおかずを食べ続けるとしたら何ですか?」と聞かれたら即座に鶏の唐揚げ(とり天を含む)、と答えるし、九州人はそういう人結構多いと思う。
入試に関連して言っておく。農業で、お米以外に出題して点差をつけさせたいなら、この畜産は狙われる。該当する県が複数の項目で登場しているからだ。しかも紛らわしい。意地悪な出題者が小躍りしそうだ。
ちょっと古い資料だが、農林水産省のデータ(平成31年版)がある。これを元に、農林水産省の該当ページの最新版を入手してみると変化があった際に分かりやすい。もちろん予習シリーズのデータ理解はマスト。
https://www.maff.go.jp/j/chikusan/kikaku/lin/l_hosin/attach/pdf/index-419.pdf
最後に、酪農。コロナ禍で生乳廃棄のニュースが流れたのは記憶に新しい。主要取引先である学校や外食産業が休校や閉鎖(あるいは時短営業)になってしまい、搾乳後2時間以内に加工工場へ運び、熱処理や脂肪分調整を行ってパック詰め、出荷となっていたものが、一斉に行き場を失ったため、加工費用をかけないために廃棄になった、ということらしい。一部の農協や加工会社が酪農製品に振り替え、廃棄をなくす努力をしている、というニュースを見た記憶もある。
しかし、日本の酪農農家(乳牛飼育)は多くが個人経営であり、広大な土地で機械化を進めている酪農大国のニュージーランド・オーストラリアや・EU・アメリカと比べると国際的な競争力が圧倒的に弱い。それでも安心して食べられる、あるいは日本人の口に合う、などの理由で消費者から支持はされており、バターなどは年々生産量も増加している。ただし、この数年で飼料となる穀物の輸入原価が高騰し、10月1日からは値上げせざるを得ない状況となった。また、輸入酪農製品については、GATT(政治の勉強してるかな?)のウルグアイラウンド(1995年)により、国内価格と連動した関税率になっているため、同じように値上がりしているのが現状。
まぁ、入試には出ないと思う、酪農は。問題が複雑すぎてそんじょそこらの先生では小学6年生にふさわしい問題を作成できないから。せいぜい乳牛の飼育頭数上位5県ぐらい。ただし、時事ニュースとしては上に述べた内容は一応押さえておいて欲しい。
ちょっと農業は肩に力が入りすぎた感があるので、次回からの工業編はもっとさらっと(笑)。
