竹原ピストル | 武田幸三オフィシャルブログ「ローキック魂」Powered by Ameba

竹原ピストル

皆さんこんにちは。

 

武田幸三ローキック魂セコンド

セコンドの深津飛成です。

 

本日は超絶久し振りのセコンド日報的なブログです。

普段の武田幸三を皆様にお届け致します。

 

先日、武田さんと竹原ピストルさんのライブに行って参りました。

 

会場の収容人数は後楽園ホールと同じくらいで、会場は超満員でした。

 

観客の年齢層も幅広く、竹原ピストルさんのライブが始まるのを

観客全員ワクワクしながら待っているのを感じました。

 

やっぱりアーティストによって会場が持つ緊張感って全然違いますね。

 

選手によって会場の空気が変わるのと同じですね。

 

竹原ピストルさんを待つ会場は、年齢層が高いのに

皆さんがワクワクされてるような気がして、とても不思議に感じました。

 

大人が2000人も集まってるのに、会場は遠足に来ている子どものワクワクが会場を

パンパンに膨らませてるように感じ、とっても不思議な雰囲気でした。

 

大人の【楽しみ!】が溢れると子どものワクワクと同じ感じになるんですね。

 

初の竹原ピストルに緊張感を持って会場に入ったんですが、

席に着くとなんだか緊張じゃなくてワクワクしてたのは

きっと会場全部がそうだったからなんだと思います。

 

そして、何よりワクワクしてたのは…

 

 

そうです。

我が息子!

 

竹原ピストル 武田幸三 飛成息子

 

恐ろしい事に全員が12月27日生まれ!!

 

1年365日もあるのに、何でその日に生まれて来たんでしょうか?

流石は僕の息子です。

 

そんな息子も会場に入ってからワクワクした様子で僕の膝の上に座ったんですが

 

「お前、こっち来るか?」と、隣の険しい顔した人が言うと

いつもは割りと敵対してる息子が「うん!」と素直に武田さんの膝の上に座りました。

 

このワクワクって何だろう?ステージが遠いからかな?

 

そんな事を思いながら開演を待ちつつ、物販に並びいろいろと買い物を楽しみました。

僕だけじゃなくて並んでる人が皆さん同じ雰囲気なんです。

 

これからギター一本で魂のド真ん中に突っ込んで来る竹原ピストルのライブを見るのに

こんなワクワクした柔らかな気持ちで良いんだろうか?

緊張感持ってないと真っ正面から向き合えないんじゃない?

 

なんて、色々と思っていたんですが、何だか僕も【挑む】みたいな心境が作れないまま

会場のBGMが鳴り止み、場内が暗転しました。

 

真っ暗の中に響く観客の歓声、僕も声を上げて竹原ピストルを待ちました。

 

暗転の中、舞台を一本のライトが照らします。

 

光の中には数本のアコースティックギター、譜面立て、水、マイク、マイクヘッド

そこには竹原ピストルの全部がありました。

 

ステージは広いのですが、音を出す人は真ん中の一人のみ

その一人の両側には大きなスピーカーがこちらを向いて2台

 

その光の中に竹原ピストルが現れました。

 

僕らで言ったらリングインです。

 

厳しい眼光で深く息を吸い込みながら挑むように入って来る竹原ピストル

 

それをイメージしてましたが

全然そんな事なく、ペコペコと言う音が聞こえる程

何度も何度も頭を下げながらギターを鳴らし準備をします。

 

これか。。。

 

と、この会場に溢れるワクワクの正体を見た気がしました。

 

竹原ピストルのライブは、緊張感を持って挑んだってしょうがないんです。

緊張感って、自分を強く見せる鎧に似てるじゃないですか。

そんな物、要らないです。

要らないと言うか、通用しないんです。

それを知ってる大人が集まってるから素直にワクワクして良い場所だったみたいです。

 

子どもの頃みたいに落ち着きなくウロウロして、子どもの頃みたいにニコニコ笑って喋って

外の大人みたいに一々考えたり、構えたりしなくて良いんです。

 

そう言う事をしなくていい場所だったんです。

そう言う事しても仕方ない場所だったんです。

 

それに気付かされた瞬間、竹原ピストルが鳴りました。

 

 

丸腰の自分で真正面から受け止めるしかないんだ。って思い知って、覚悟を決めた僕は

目の前で鳴り始めた竹原ピストルを前に、凄い眩しい物を直視してるように

目を少ししか開けてられませんでした。

 

唇は口内に巻き込んで、前歯でグッと噛んでないといらんなくて

鼻でする呼吸も浅く、暫くは眩しくて呼吸も浅くて……

今思うと恐怖に似た感覚で竹原ピストルを聞いていました。

 

1曲目のオールドルーキーが終わると、何だか清々しい気持ちになり

これでいいんだ!と吹っ切れました。

 

ここでの過ごし方、竹原ピストルとの向き合い方は

あーだこーだ考えず、丸腰で真正面から向き合う。

弱気な所も、強気な所も、ズルい所も、潔い所も、

今の自分を全部曝け出して正面から向き合うしか方法は無いんだと

気持ちが晴れやかな気持ちで舞台の上で歌い続ける竹原ピストルを夢中で見続けました。

 

足でリズムを取る音が響きます。一人ぼっちなのに1、2、3、4とタイミングを取ってからギターを弾き

歌い出したと思ったら「本当は俺、もう少し高い声出るんです。」って歌い直したり

マイクがハウリングを起こしたり、歌詞を間違えて、間違えた瞬間に次の歌を歌い出したり、

ギターを交換するのも、マイクを交換するのも、チューニングをするのも、全部竹原ピストル

 

4000個の眼に映る人間は、たった一人なんです。

 

メッセージ性の強い歌詞が多い中、ちょっとしたミスが雰囲気を壊すこともあるかもしれません。

 

でも、それが一つもないんです。

歌詞を間違えるのも、音程を間違えるのも、ハウリングを起こすのも

全ての瞬間を4000個の目が楽しみに待ってるんです。

この舞台にミスや失敗は微塵もないんです。

 

竹原ピストルが諦めない限り、負けもないし、終わりもないんです。

また最初から歌い出すから失敗じゃなくて、2度聴けた!ってなるんです。

歌い直した瞬間に立ち会えたこと、それを共有出来て嬉しいんです。

 

また立ち上がるから見惚れちゃうんです。

惹きつけられちゃうんです。

 

完全無欠じゃないから手に汗握るんです。

 

アンコールも歌い終わって、颯爽とステージを去るかと思いきや

ステージに向けた歓声にウロウロしながら

またペコペコペコペコ頭を下げて回るんです。

 

演奏中は全然動かないのに、終わったらウロウロするんです。

 

そんな竹原ピストルが舞台に一礼して袖に消えた時、僕は何だかにっこり微笑んでました。

隣の厳しい人も、微笑みながら何度も頷いていました。

きっと長い会話が終わったんだと思います。

 

「いやぁ……」

 

ちょっと優しい顔をして僕を見て、こう続けました。

 

「……頑張ろうな。」

 

それから駐車場に向かうまでほとんど会話はありませんでした。

でも、何だか一杯話した気がします。

 

僕なんかじゃ気付けないことも多々あるだろうけど

武田さんがライブを通して言った事、僕と共有したいと思ってくれた想い

きっと8割は受け取れてると思います。

 

で、あの時間を共有した弟として、

いや、あの時間を迎えるまでの時間の多くも共有して、あの時間を共有した弟として

あの時は生意気な口になっちゃうかもと思って言えなかったことを書きます。

 

 

ライブのあとで連れて行ってくれた焼き肉屋さんで

あの舞台、あの演出、あの世界観、その全てを分析して、ぐうの音も出ない完璧さで

凄いの一言に尽きる。って言ってましたね。

 

ギター一本マイク一本で飾らないから格好良いの極みだな。

前に行ったライブは40人くらいのサイズで目の前だったから本当に強烈で凄かった。

だけど、今日は2000人でも全く変わらず、色気が増してて凄かった。

最後も舞台をウロウロして、常連のお客さんに四方八方に頭下げて手を振って

最後まで竹原ピストルが貫き通されてて凄い。

本当にその言葉に尽きる。俺も初心に戻りました。

 

心底感心した様子でそう言ってましたね。

 

僕は兄さんに同じ事をいつも感じてます。

 

いつもいつも「ごめんね、ありがとうね。」ばっかり

 

埼玉スーパーアリーナで何万人も人集めて、その何万人を緊張感で黙らせた貴方が

試合後のシャワールームで「ごめんな。ありがとうな。」

 

初めて「見に来てくれない?」って誘ってくれた舞台

その箱は40人でパンパンででした。

その感想を伝えると「忙しいのにごめんね。来てくれて有難うね。」

 

僕も元はリングに上がってた人間ですし、武田幸三のセコンドとして

10年以上一緒に戦って来た者として、40人を前にコミカルに登場してた武田幸三が

どんな緊張感を持って挑んでいたか、僕は僕なりにですが理解してるつもりです。

何万人を前した時と、40人を前にした時と、僕の目に映った武田幸三は微塵も変わって無かったです。

 

それは今も変わらないじゃないですか。

 

撮影の時の話を聞かせてくれるとき、僕の目には武田幸三がハッキリと浮かびます。

 

ああぁぁ、僕がいたらこの瞬間に水を差し出すのにな。

ここはコーヒーだな。ってハッキリ浮かびます。

 

だから、初心に戻る。って言葉は相応しくないし、似合いません。

 

武田幸三が使うべきではない言葉です。

 

初心に戻る。って慢心や、気の緩みがある僕がよく使う言葉です。

よく使ってんなら初心に戻ってねぇじゃねぇか。って声が聞こえますが続けます。

 

ぶっ倒されても、体がぶっ壊れても、また立ち上がって

入門したばっかりの子みたいに、ジャブの打ち方から練習し直して、

また強さの先に何があるのか探しに戦い続けた武田幸三って、

ずっと変わってないんですよ。

だから、僕はずっとセコンドとして付き纏ってるんです。

 

ライブが終わってすぐに書こうと思ってたんですが

何だか今すぐに文字にしたら安くなっちゃう気がして

ここまで時間がかかっちゃいました。

 

みなさん、こんなに長いのにお付き合い頂き有難うございました。

 

これからも武田幸三ローキック魂を

よろしくお願い致します。