皆さんこんにちは。

本日は、「生成AIとの付き合い方」というテーマで書き留めたいと思います。

生成AIの活用について、毎日のように新聞でも取り上げられていますね。現在、直接かかわる仕事をしていない私でも、この課題は今後のビジネスの在り方にも影響を与えることは間違いないことであると感じています。

あまり活用経験のない私がコメントするのは筋違いなのかもしれませんが、私が感じるには、生成AIの使い方は、一種の統計学でいう「メタ分析」のようなものではないかということです。あるテーマについて、過去の独立していたデータを組み合わせて、思考の角度を大きくするような合成作業は非常に長けていると思います。ですから、文字だけで物事が進んでいくような世界においては、生成AIの威力は人間をはるかに超えていくことは間違いないでしょう。

ただ、生成AIを使って素晴らしい文章（一種の借り物作品）を作ったとしても、その作成者と生身で会って色々な会話をすると、本人と「借り物作品」との妙なギャップに違和感を持ったりします。つまり、この文章を書ける人の会話や思考とは思えない、というような違和感といったらいいのでしょうか。

これは、人間の思考がAIに人質として捕られているのと同じだと思います。

こんな場面が考えられますね。たとえばデータ作成能力は素晴らしいのに、そのデータが自分のものとなっていないようなケースでしょうか。

自分自身にも自戒を込めて申し上げるのですが、数字にしろ知識にしろ、自分のものとして腑に落ちていなければ、逆に文字や数字が独り歩きすることの方が怖いことで、生成AIをはじめとした便利ツールというものは、常に自分の体感と離れないような使い方をする必要が私はあると思います。

ビジネスは、成果をあげてなんぼの世界ですから、プロセスの尊さを過剰に吹聴するつもりはありません。でも、思考が人質となってしまっては、社会的動物としての人間らしさは益々退化していってしまうでしょう。組織としての成果を出すには、人間同士の協調を避けて通るわけにもいかず、その際にAIなどの便利ツールは、人間らしさを支援してくれる「心」までを持ちえないのではないか、というのが最近感じる私の危惧です。

電車の中でも、他者との距離を全く考えずにスマホに興じる人間を多く見かけます。こういう迷惑行動を取ったら他者がどのような思いになるのか、スマホは教えてくれないでしょう。

これは、ある機械音痴のひがみなのかもしれませんが、便利ツールの活用がすべての社会の進歩や生活の利便向上にはつながらないことを意識していきたいものです。

最後までお読みくださりありがとうございました。

2024.2.11　＃326

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