皆さんこんにちは。

本日は、「普通に学び直しができる国へ」というテーマで書き留めたいと思います。

社会人大学生に代表される、大学や大学院などの大学型高等教育機関で学び直しを行っている社会人数について、文部科学省が2012年に発表している「社会人の学び直しに関する現状等について」の資料を以下に掲載します。

これを見みますと、主要先進国は社会人になってから学び直しをしている市民の割合は２０％を超える国も多く、社会人年代になってからも学びを続けていることがわかります。一方で日本は、その数値は１．９％と桁が違う低さになっています。つまり日本は、学生時代までは高等教育を受けて学ぶけれども、一度就職すると高等学術機関で学び直すという市民はほとんどいない、ということです。

これにはどんな背景があるのでしょうか。

一つは、日本の雇用文化や特有の形態があるのだろうと思います。だいぶ崩れてきたとはいえ、日本には「終身雇用制」という雇用慣行があり、一つの会社で長く働くことが労働慣行であるということです。一つの会社でないにしても、職業を頻繁に変えることはなかなかポジティブには受け止められていないのも事実かと思います。また、正社員として登用された場合には、労働契約は有期ではなく無期雇用となることが一般的です。つまり一度正社員として就業すれば、相応の報酬と労働環境、そして企業の安定性が与えられれば、企業の命に従順に従うことで生活がある程度は保証される、といった背景があり、特に学び直しなどは必要ないというのが現状なのでしょう。

ただ私には、大学や愛学院側の受け皿の問題もあるのかと思います。

先日、ある大学院の研究室を訪ねました。私がこれから学び直しを行おうとしている専攻に従事されているある教授に、その大学院研究科の特徴など色々とアドバイスをいただこうと思い、事前に予約をして訪ねたのです。

ところが残念なことに、その教授からは暗に「社会人として一部でも働きながら勉強をする学生を積極的に採用しようとは思わない。勉強を軽く考えてもらっては困る。企業人としての経験を武器にしようというのはもっての外だ。」と言っておられました。その教授は、ある専門分野では著名な方だっただけに、日本のリスキリングの必要性にあまりにも無理解だったことを非常に残念に感じたのでした。

企業側も大学・大学院側も、このようなスタンスや過去踏襲をしているのであれば、非常に流れの速いグローバル競争に勝てる感じがしないです。官民学が、日本の生産年齢にいる市民に対し、都合の良い囲い込みを辞めて、積極的に最新技術や理論を学べるような環境を応援するように変わってほしいものです。

最後までお読みくださりありがとうございました。

2023.12.23　＃320

===============================

タラントディスカバリーラボの紹介

https://takeda-hiroshi.amebaownd.com

キャリアカウンセリング実施中

https://takeda-hiroshi.amebaownd.com/pages/4182052/page_202008291127

株式会社セイルのコラム欄に「キャリアエッセイ」を連載中

https://go-sail.co.jp/2023/04/38267/

ＨＲプロ（株式会社セイル）に掲載中

https://www.hrpro.co.jp/download_detail.php?ccd=01209&pno=43

慶応丸の内シティキャンパスのメルマガに掲載されました

https://www.keiomcc.com/magazine/hiroba223/

===============================