皆さんこんにちは。

本日は、「サクセスフルエイジング」について書き留めたいと思います。

 

石山恒貴先生の講演の中で、「サクセスフルエイジング」のお話を聞きました。「幸福で実りの多い、優れた人生をまっとうする」といった意味で、年齢を重ねていく中で、人間として避けられない「喪失」と如何に折り合いをつけていくか、という視点でのアプローチです。

 

人生100年時代を迎えて、従来のように60歳定年の後に「年金で隠居して過ごす」という生き方は、現実的ではなくなりました。シニア時代の活動時間は、現役として働いていた総時間にも匹敵するくらい長くなったからです。

高齢者が身体的な衰えや喪失体験を多くするにもかかわらず、心理的な幸福感が増していく現象を「エイジング・パラドックス」と言いますが、このパラドックスを起こしていくために、私たちはどのようなスタンスでシニア時代を過ごしていけばよいのか、社会学の視点からのサクセスフルエイジングを考えてみたいと思います。

 

 

1つ目は「離脱理論」と呼ばれるものです。

高齢者は死に備えて社会活動から離れ、社会的環境を縮小することで、主観的幸福感を維持する、と考える理論です。

2つ目は「活動理論」と呼ばれるものです。

高齢になってもできるだけ中年期の生活を維持し、活動的であることが生活満足度に繋がる、と考える理論です。

 

双方ともそれなりに納得できる考え方ではあるのですが、中年期(壮年期)の良き面影を引きづっている感もあります。つまりは、中年期はOKで、老年期はそもそもイマイチ的な前提で考えられている感じでしょうか。

 

さらに、この2つの理論の他に「継続性理論」というものもあります。

これは、中高年が加齢への適応方法を選択する際に、自分のパーソナリティに合った生き方をしていくことを前提とする理論です。加齢による喪失はやむを得ないとしても、今まで自分自身が大切にしてきた「自己」を、より研ぎ澄まして生きるような発達概念も含む考え方です。

 

私は、この継続性理論が本来のサクセスフルエイジングを考える際に大切な考え方だと思っています。なぜ社会との接点が有用なのか・・・。社会との接点があれば良き老いが与えられるのではなく、自分のパーソナリティに合った生き方、すなわち天から与えられた自分自身のミッションを遂行していくような生き方ができる時に、身体は衰えても心理的には発達しているのだと思うのです。

 

石山先生が講演の中で、次のようなお話をしてくださいました。

「コミュニティに参加できる人は幸せ。でもコミュニティを作っている人はもっと幸せ。」

 

自分自身に与えられたミッションを感じ、それに呼応していけるよう、今後の人生を歩みたいと思います。

 

最後までお読みくださりありがとうございました。

2023.7.23 #298

 

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