皆さんこんにちは。

本日は、「社会人のリスキリングについて」というテーマで書き留めたいと思います。

 

本日、ある大学院のオープンキャンパスに参加させていただきました。参加者は100名位だったかと思われますが、皆さん熱心に学校説明を聞かれていました。

一般的に大学院のような高度専門分野の学びを行う期間は、中々仕事との両立は難しいかと思われます。ですので、受験するにはそれなりの覚悟やけじめを持って人生の選択をすることになるでしょう。

 

でも、学び直し(=リスキリング)をする際にそのような覚悟を持たなければならない社会というのは、今後の日本の成長を考えた場合にいかがなものなのだろうと考えてしまいます。

 

働くことを通じてお金を得ることが出来ない期間であるということはやむを得ないにしろ、一度会社を辞めたらその会社には戻れず、戻れたとしても処遇が下がってしまうとか、転職するにしても、一種の履歴書上の空白期間があるように見えるために、条件面で苦労したりする・・・みたいな心配をしないと言ったら嘘になるのが日本社会の実情だと思います。

 

では、終身雇用(長期雇用)を暗黙の前提としたメンバーシップ型の企業がまだまだ多い中、今後の社会の発展のための最先端技術やスキルは、社会人経験が乏しい新卒の学生にしか頼れなくなってしまうのでしょうか。

 

そうだとしたら、他国と比べて日本の国力が低下してきてしまっているのもうなずけます。大学教員のように、サバティカル休暇を年単位で取得できれば、その分野での再充電をしっかりできるでしょうが、1週間程度のリフレッシュ休暇では、旅行に行って疲れて終わり、みたいな感じが関の山です。

20歳以降70歳くらいまでの働き人としての期間に、一度や二度は本格的にリスキリングをする機会は必要なのではないかと私は思っているのですが、その大切な充電期間が出世競争の妨げになると感じさせてしまうような企業は、本当に会社と社員のことを考えているのかと疑いたくなります。

 

 

一方、個人ごとではなく、企業が主体となってリスキリングの機会を社員に提供する、という企業も出てきています。特にIT関連の学びの機会を研修の一環で実施している企業もあります。この案も一案ではありますが、この場合の企業の本音は、社員の囲い込み的なものかと推測します。

それよりも私は、社員に学びの機会を与えれば、学ぶ意欲のある社員は自主的に学びを行い、そしてその企業に魅力があれば、再びその企業に戻ってきて成果を上げようと頑張るのではないかと思います。つまり、囲い込むのではなく、企業自身がアトラクティブであれば、自然と社員は所属企業へのエンゲージメントを持ち続けられるのではないかと思うのです。これこそが「キャリア自律」的な働き方になるのかと思います。

 

海外においては、「社会人大学院」という言葉は存在しないとのことです。社会人が大学院でリスキリングを行うことは普通の光景だからです。学びの期間は遊びではなく、将来の企業にとってのイノベーションの可能性を高くする投資だと思います。

 

そういう社会変化が起こることを願ってやみません。

 

最後までお読みくださりありがとうございました。

2023.7.8 #296

 

===============================

タラントディスカバリーラボの紹介

https://takeda-hiroshi.amebaownd.com

キャリアカウンセリング実施中

https://takeda-hiroshi.amebaownd.com/pages/4182052/page_202008291127

株式会社セイルのコラム欄に「キャリアエッセイ」を連載中

https://go-sail.co.jp/2023/04/38267/

HRプロ(株式会社セイル)に掲載中

https://www.hrpro.co.jp/download_detail.php?ccd=01209&pno=43

慶応丸の内シティキャンパスのメルマガに掲載されました

https://www.keiomcc.com/magazine/hiroba223/

===============================