皆さんこんにちは。
本日は、「孤独と孤立」というテーマで書き留めたいと思います。
東畑開人さんの『聞く技術 聞いてもらう技術』をいう本を読みました。
その中で東畑さんは、「孤独と孤立」について次のように述べておられます。
孤独には安心感が、孤立には不安感がある。
孤独の場合には、心は鍵のかかる部屋にいて、外からの侵入者に怯えなくていい。だから寂しくもあるのだけれども、同時に他人に煩わされずに自分のことを振り返ることができる。
これに対して孤立の場合は、心は相部屋にいるのだけれども、その相部屋には嫌いな人、怖い人など想像上の悪しき他者が出たり入ったりしていて、自分を肯定できずに自分を責める声が吹き荒れているような状態になっている。
孤立していると感じている場合には、たとえ周囲の支援者が善意でその人に歩み寄ろうとしても、心が傷ついてしまっているために善意を善意と捉えることができず、「またこの人も自分を責めようとしているのではないか」と疑心暗鬼になってしまい、支援者側も辛い思いをしてしまうことが多い、ということです。
ですから、心の支援者には、またその支援者を支える支援者も必要です。孤立状態に陥っている人が、自ら心を開いて声を上げられるようになるには時間が必要です。ですから、孤立者の心にノックし、ドアが開くまでの必要な時間、支援者自身も支援を受けられるような仕組みも
大切になってきます。
英国に続き、2021年2月に日本の内閣官房に「孤独・孤立対策担当室」が設置され、担当大臣が任命されました。
産業構造の変化や価値観の多様化、急激な高齢化などに加え、コロナ感染対策で通常のコミュニケーションすら抑制されるような状況の中、国として自助努力を求めるだけではなく、「公助・共助」の取り組みを促進しようとのアクションに対し、私は前向きに捉えたいと思います。私たち国民一人ひとりが、他人事ではなく自分事として、公助・共助の一翼を担うことが支援の和に繋がっていくのだと思います。
東畑さんは、「心にとって真の痛みは、世界に誰も自分のことをわかってくれる人がいないこと」と述べています。
私自身も支援職の端くれとして、自らを制御しつつ、声にならない声に耳を傾けていけるよう歩んでいきたいと思います。
最後までお読みくださりありがとうございました。
2023.1.7 #270
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