皆さんこんにちは。
本日は、「社員の本当の幸せとは」というテーマで書き留めたいと思います。
皆さんは、どんな会社が理想の会社だとお考えでしょうか。
当社でも、研修において「理想の会社像」を語り合う研修がありますが、そういう機会でも色々な意見が出されます。大きな会社、安定している会社、世間から信用のある会社、給料が高い会社・・・・。希望を言えばきりがないですね。
でも、そういう理想形に近づくためには、黙って言われたことだけをやっていれば近づけるわけではありません。一人ひとりが自分の持ち場で、現状に満足することなく相応の負荷を背負って、新しい価値を生み出す行動を起こさなければ、会社は今よりも良くなりません。
これだけ変化の激しい時代ですから、現状維持は「停滞」ではなく「衰退」であると覚悟しなければなりません。変化対応を億劫がっていれば、世間の流れに乗り遅れてしまいます。
ですから、会社経営の任にある者は、自分の在任中の小さな変化対応にのみ心を奪われていては、多くの若い従業員の将来を潰してしまうことにもなりかねないことを常に心していなければならないと思うのです。
将来の会社を作る要素は、設備であったり仕組みであったり、また安定して投資ができる財務環境であったりしますが、一番重要な要素は「人材」であると私は思います。
「人材版伊藤レポート(経産省)」にもあるように、これから企業人財は、「コスト」ではなく、「資本」として認識されるようになりつつあります。ですから、近いうちにその人材にどのように投資しているかを投資家に開示し、その人材投資の本気度と企業成果との両輪で企業価値が測られていくようになるでしょう。すでに海外では、当取り組みの情報を開示するものとしてISO30414を導入している企業が増えており、いずれ近いうちに日本でも主流となるといわれています。
その点で企業の人材戦略は、経営戦略と結びついていくべきであり、企業経営者は短期視野でなく長期視野をもって、人材の育成や配置(異動)を考えていかなければなりません。
とかく企業経営者、特にビジネスの本業が自分の成功体験と結びついているような経営者は、その本業に注視するあまり、財務面や人事面を疎かにしがちです。
でも、経営者が「人材育成面は自分の仕事ではない」と思っていたら、社員はどう感じるでしょうか?
社員の幸せは、規模の大きい、安定した、給料の多い会社になることかもしれません。けれども、どんな規模の大きな会社でも、将来にわたって存続し、雇用を保証してくれると断言できる会社はありません。
社員の本当の幸せは、自分自身が成長できることです。たとえ自国の経済が逆境であっても、社会不安が大きくても、いまの会社が残念ながら経営破綻したとしても、人生100年時代を自らの力で生きていける能力を付けられることです。
ですから、所属する会社でどれだけ自分を成長させることが出来るか、すなわち育成の機会、異動による経験の醸成など、どれだけ会社が真剣になって一人ひとりに目を向けようとしているか、それが社員にとって会社を評価する基準になっているのです。経営に携わる者は、その面で自分の力量が足りなければ、自ら学ばなければならないのだと思うのです。
もちろん、社員の方も意欲を持って自分自身を成長させようと努力しなければなりません。自分の成長のための機会をすべて会社に委ね、その手段に対して無責任に是非を論じるような姿勢では、本当の成長を望めないばかりか、上記「会社の衰退」の要因の一つにもなりかねません。
私自身もまだまだ勉強が足りないことを自覚しています。社員の本当の幸せを考え続ける会社になれるよう、残り少ない企業人生を頑張りたいと思います。
最後までお読み下さりありがとうございました。
2022.8.13 #250
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