2004年スマトラ島沖地震M9の後、M8クラス地震がスマトラ島沖で頻発し、2011年東北地方太平洋沖地震M9の後、M8地震が付近で起こっていないのはなぜか
2004年のスマトラ島沖地震は「断層のずれは逆断層型で、断層面が平行に近い衝上断層と見られている」( https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%9E%E3%83%88%E3%83%A9%E5%B3%B6%E6%B2%96%E5%9C%B0%E9%9C%87_(2004%E5%B9%B4) )です。
2011年の東北地方太平洋沖地震(311大地震)も同じく「断層面が水平に対して10度と傾きが浅く、西北西-東南東方向(ほぼ東西方向に近い)に圧縮される、低角逆断層(衝上断層)型のずれ」( https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%B1%E5%8C%97%E5%9C%B0%E6%96%B9%E5%A4%AA%E5%B9%B3%E6%B4%8B%E6%B2%96%E5%9C%B0%E9%9C%87 )でした。
同じ逆断層型の地震であるのに、スマトラ島沖地震ではM7以上地震が何回も続けて発生しています。
2000年以降の主な「スマトラ島沖地震」( https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%9E%E3%83%88%E3%83%A9%E5%B3%B6%E6%B2%96%E5%9C%B0%E9%9C%87 )
2000年06月04日 スマトラ島沖地震 (2000年) 7.9 スマトラ島南方沖
2004年12月26日 スマトラ島沖地震 (2004年) 9.1 バンダ・アチェ南南東沖
2005年03月28日 スマトラ島沖地震 (2005年) 8.6 メダン南西沖
2007年09月12日 スマトラ島沖地震 (2007年) 8.5 ブンクル南西沖
2009年09月30日 スマトラ島沖地震 (2009年) 7.5 パダン西北西沖
2010年04月06日 スマトラ島沖地震 (2010年4月) 7.8 バニャック諸島付近
2010年05月09日 スマトラ島沖地震 (2010年5月) 7.2 バンダ・アチェ南南東沖
2010年10月25日 スマトラ島沖地震 (2010年10月) 7.7 パダン南沖
2012年01月10日 スマトラ島沖地震 (2012年1月) 7.2 バンダ・アチェ南西沖
2012年04月11日 スマトラ島沖地震 (2012年4月) 8.6[1] バンダ・アチェ南西沖
2016年03月02日 スマトラ島沖地震 (2016年) 7.9 スマトラ島南西沖
2004年のM9以降、M8以上の地震が3回、M7以上では9回も発生しているのです。2012年までの8年間で考えると8回M7以上が発生していて、毎年M7以上がスマトラ島沖で起こってきたことになります。
なぜ、三陸沖、または東日本の太平洋沖で、M7以上地震の発生があまりなかったのでしょうか。
多分、理由は単純だと思います。つまり、海底地形の違いなのです。三陸沖の場合は、海山が多く海底にあり、それらの海山が海溝でつっかえ棒となってなかなか太平洋プレートが簡単には滑り込まないようにしているのです。海溝部の西側の海底が盛り上がっているように見えることがそれを物語っています。更に、銚子沖のあたりの緯度で見て、太平洋プレート上にかなりの数の海山があるのが分かります。同じように青森県の緯度で太平洋プレート上に3個の海山があるのが見えます。
それに対して、スマトラ島北部沖では比較的海底がなだらかで、大きな海山はあまりない様子です。ニアス島とかシベルト島の西方には海山がありますが、それらの海山も比較的小型です。
そのことを、googleで確認できます。
https://www.google.co.jp/maps/place/%E3%82%B9%E3%83%9E%E3%83%88%E3%83%A9%E5%B3%B6/@1.0875123,100.3435456,1148121m/data=!3m1!1e3!4m5!3m4!1s0x2e2aad6120570311:0x1def4d17e789deb4!8m2!3d-0.589724!4d101.3431058
で、日本の三陸沖の海山がハッキリと見える程度の拡大率(画面右下の縮尺が2cm程度で200km)にしてから、そのままの状態でスマトラ島沖まで移動して、スマトラ島沖に三陸沖と同じような海山があるかどうかを確認してください。
869年貞観地震以来、三陸沖の海山がずっと太平洋プレートの東日本の地下への沈み込みを抑制していて、そのため、太平洋プレートの西への沈み込みは、日本海溝からハワイよりの海底で逆断層型の地震が起こることで解消されてきたようなのです。このことが、貞観地震以降の東日本の太平洋側で津波地震が多く、陸域での揺れがあまり激しくなかった理由であると思います。
311大地震で三陸沖の日本海溝でストップをかけていた海山が破壊されたはずです。その結果、三陸沖の南北の日本海溝から陸よりのところに沈み込んでいる海山が、現在破壊されかかっているのです。311大地震で福島県から宮城県の沖合の陸のプレートの下へ沈み込んでいた海山はほぼ破壊されたのでしょうから、北側は岩手県の沖合の海山、つまり、海底が少しぼんやりと盛り上がっているように見える箇所、そして南側は茨城県から千葉県沖の陸のプレートの盛り上がり部分に大きな力がかかり、これらが留め金となって、まだ次のM7から8の地震が起こっていないのです。
反対から言えば、これらの海山が破壊されると、一気に海のプレートが陸域の下へ沈み込み、関東平野の広域でかなり激しい地震が起こることになるはずです。
まとめると、スマトラ島沖では海溝から沈み込んだプレート境界に海山がほとんどなく、そのため、M9地震後、ほぼ毎年M7から8の地震が発生したが、日本は海溝から沈み込んだプレート境界に海山が幾つも挟まれているので、それらが力を貯め込んでいて、M7から8のプレート境界型地震が続発するのを阻止していると言うことになると思います。
太平洋プレートの西進は常時起こっているので、やがて岩手県から青森県沖のあたりでも、そして、千葉県東方沖でも、挟まっている海山が破壊され、M7以上の地震が起こります。関東地方の場合は、茨城県から銚子の間でM7程度の地震が発生してこれらの海山が破壊された後、本格的な関東大震災となるはずです。銚子沖100キロ程度の範囲で起こっている震源深さの浅い正断層型の地震は、この部分に沈み込んでいる海山が動いて起こっているはずであり、銚子沖のこのあたりでM6程度の正断層型地震が発生したら、いよいよ危ないのだと思います。
2016年12月07日21時25分 武田信弘 ジオログ(http//geocities.yahoo.co.jp/gl/taked4700)はヤフーブログ(http//blogs.yahoo.co.jp/taked4700)へ移行しました。CN:103798 SN:3972