熊本地震の建築物被害が隠ぺいされていないか
自分の携帯電話が1月初旬から電源が入らなくなり、自分は携帯電話のワンセグでテレビを見ていたので、1月初旬以来テレビ報道は見ていません。そのため、テレビ報道で建物被害の状況が取り上げられている可能性もあると思いますが、少なくとも新聞や雑誌、インターネットで見る限り、建物被害の状況がほとんど分かりません。
全国紙のサイトを見ても、「熊本地震特集」のページがあっても、被害の状況を示す写真は10枚程度しか公開されていず、そのほとんどは避難をされている人々のものや救援の状況についてのものです。校舎や庁舎の被害があったこと自体は報道されているのですが、鉄筋コンクリート建築物の被害写真がほとんどネットに出てきません。耐震補強された校舎が被災して使えない状況になっているのに、ほとんどその被害写真が出てこないのは、何らかの形で報道規制がかかっているのではと思わざるを得ません。
土木学会( http://www.jsce.or.jp/ )のページには、「土木学会西部支部 緊急調査団報告書」( http://committees.jsce.or.jp/2016kumamoto_eq/node/11 )が掲示されていて、4月27日10:00現在で第5報までが出ています。第3報( http://iresc.kumamoto-u.ac.jp/iresc_dobokureport3.pdf )に気になる記述がありました。10ページにある「県道 28 号熊本高森線 大切畑大橋 橋軸直角方向に大きく動き,ゴム支承が破断した.落橋防止装置により,かろうじて橋桁は落ちずにすんだ.」です。「ゴム支承が破断」と言う部分が気がかりです。
日本の高層ビルの免震構造の多くはこの「ゴム支承」とほぼ同じものを免震積層ゴム支承( http://www.kenzai.or.jp/kouryu/image/22-02.pdf )として使っているようだからです。
「東日本大震災でのゴム支承の破断事例」( http://kozo4.ace.nitech.ac.jp/Shaking_Table_Test/contents01.html )があるということで、その実際の写真が、http://kozo4.ace.nitech.ac.jp/Shaking_Table_Test/contents01_e.html の左下の隅に掲載されています。橋脚についての記事ですから、高層ビルの免震積層ゴム支承ではないと思いますが、かなり大きな装置であり、多分、高層ビルについても同種のものが使われているはずです。いわゆる横揺れで破断したのか、それとも、縦揺れか、または、地震衝撃波による鉛直方向の引張力によるものなのか、自分には判断が付きません。
日経コンストラクションのフェイスブックに熊本市東区錦が丘34の4階建て鉄筋コンクリートビルの柱の被害写真( https://www.facebook.com/nbpncr/photos/pcb.964919086960101/964918973626779/?type=3&theater )が載っています。見たところ、この隅の柱以外は特に被害はなく、とても横揺れが原因とは思えません。なんと言っても、円柱形の柱の同じ高さでほぼ水平に全周が同じように壊れていることから、横方向に力が働いたのではなく、縦方向に力が働いたことは明らかだと思います。また、地面に散らばっているコンクリート片がかなり細かいことも気になります。鉄筋が少し伸びて外側に出っ張っているように見えますが、建物上部が跳躍し、その結果鉄筋が伸びたとすると、この柱以外の建物部分に被害がほとんど見られないことと矛盾すると思います。高エネルギーの地震衝撃波(縦波)がこの柱のその高さに集中した結果、コンクリート柱の内部から爆発するような形での破壊が起こったと考える方がつじつまが合うのではないでしょうか。
基本的に活断層での地震でこういった被害が起こるのはかなり狭い範囲に限られる様子です。きちんとこういった形での衝撃波被害があることを認めて公表し、注意を促す方がいいのではないでしょうか。地震の発生は止められませんが、被害の軽減に努力することはいろいろな形で出来ると思います。
2016年04月27日10時40分 武田信弘 ジオログ(http://geocities.yahoo.co.jp/gl/taked4700)はヤフーブログ(http://blogs.yahoo.co.jp/taked4700)へ移行しました。CN:83992 SN:3741