NHKのニュースウォッチ9がまた食べて応援をやっている

 またまた福島でのコメの出荷などで、基準値を下回ったから安全だとNHKニュースウォッチ9が宣伝をしている。生産者の視点から見れば、国の基準を下回ったのだから正々堂々と出荷できるし、自分が汗を流して栽培した作物だから喜びがあふれるのは当然だ。しかし、食品として安全かと言われれば100%安全ではないと答えざるを得ない。

 そもそも、日本の食品の放射能の規制値は、福島第一原発事故後かなり高く設定されている。原発事故の直後に設定された暫定規制値は、http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/iken/dl/120117-1-04-01.pdf で見ることができるが、例えば飲料水で1キロ当たり放射性ヨウ素300ベクレル、放射性セシウム200ベクレルだ。野菜類に至ってはそれぞれ2000ベクレルと500ベクレルという、今から見れば考えられないような数値が設定されている。

 現在の規制値はかなり厳しくなっているがそれでもかなりな線量だ。http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/iken/dl/130920-5.pdf で現在のものを見ることができるが、放射性ヨウ素は既に環境中から消えたとして規制値がそもそも設けられていない。放射性セシウムだけだが、飲料水で1キロ当たり10ベクレル、野菜などの一般食品で同じく1キロ当たり100ベクレルだ。

 一日当たり10ベクレル食べるだけでも、それが毎日なら数年で体内にはキロ当たり相当な放射能が溜まってしまう。このことを詳しく述べた記事を引用する。

「結論は今から10年後に出る。」
http://www.olivenews.net/news_30/newsdisp.php?n=124061

以下引用開始:

毎日乳児、子供(9歳)、成人が各々放射性セシウムを摂取するとどのようになるか計算してみた。

1)乳幼児(規制値50Bq/L)
 毎日50Bqの放射性セシウムを慢性摂取すると、乳児の場合の時定数(生理的平衡状態に達する時間)30を用いて、約150日後に体内蓄積量は1500ベクレルとなる。
乳幼児の体重を10キロと置くと150ベクレル/Kgとなり、決して少ない量とは云えない。実質的にはこの20分の1以下に抑えるべきであろう。

2)子供(規制値100Bq/Kg)
 毎日100Bqの放射性セシウムを慢性摂取すると、子供(9歳)の場合の時定数53を用いて、約300日後に体内蓄積量は5300ベクレルになる。
子供の体重を20キロと置くと265ベクレル/Kgとなり、かなり高い数値となる。実質的にはこの20分の1以下に抑えるべきであろう。

3)成人(規制値100Bq/Kg)
 毎日100Bqの放射性セシウムを慢性摂取すると、成人の場合の時定数144を用いて、約600日後には体内蓄積量は14400ベクレルになる。

以上引用終わり。

 体重1キロ当たり40ベクレルもあれば何らかの異常が出て心筋梗塞などの危険性が出てくるというチェルノブイリ原発事故での検証結果もある。

 食品の安全性を示すとき、例えば、単に規制値をパスしたとだけ書くのではなく、実際に機器で観測されたベクレル値をそれぞれの食料品の個々のパッケージに記載したらどうだろうか。また、報道も単に規制値以下だと言うのではなく、福島県産の米ではキロ当たり2ベクレルでしたというように具体的な数値を言うべきではないだろうか。実際、福島産のコメについてキロ数ベクレルだったという話があるのだから。

 今日のNHKニュースウォッチ9には明確な問題があった。それは食べて応援に偏った報道をしていたことだ。アメリカをはじめ多くの国で福島や宮城産の食料品を輸入禁止にしていることも触れていない。例えば交通事故の報道で、交通違反を止めようというキャンペーンを張るのであれば、その方向性だけを報道することは合理性がある。しかし、食品の安全規制値については、現実に相当高い値が決められていて、そういった規制値ぎりぎりの食品を食べ続ければ健康に害が出る可能性はかなり高い。ニュースウォッチ9の番組内容は誰がどういう意図で決めているのか。

2013年09月25日22時05分 武田信弘 ジオログのカウンターの値:36032