5.10月1日の原子力安全対策等特別委員会で「地震の静穏期とか活動期といった区別はないと専門家が言っている」と言う趣旨の発言がありました。しかし、これは広い地域、たとえば日本全体とかまたはアジア全体などを対象にした場合であり、関西エリアや関東エリアなどの広さを対象にすると地震活動期があることは実証されています。このエリア設定は海溝型地震の震源域の周辺であり、鹿児島から四国、関西までは南海地震の震源域の周辺です。海溝型地震が発生する前の数十年間、その震源域が地震空白域となり、空白域の周辺でマグニチュードが6から7程度の地震が発生するという現象が確認されています。昨年末の政府発表では南海地震の発生確率は今後30年間で90%ですから、既に鹿児島を含めて南海地震震源域の周辺では地震の活動期に入っていると見るべきです。1995年の兵庫県南部地震、1997年の鹿児島県北西部地震、2005年の福岡県西方沖地震などはみな周辺域での地震とみなすことができます。原子力安全対策等特別委員会では地震活動期の意味が誤解されているように思えます。


6.福島県内の学童を対象にした甲状腺検査の結果、約半数の甲状腺にのう胞が発見されています。しかし、それが正常か異常かを判断するための比較対象群の検査が未だに実施されていません。昨年夏にはかなりの数の学童の甲状腺検査がされ、その時点で疫学上比較対象群の検査が必要だということは分かっていたはずです。しかし、比較対象群の検査をする事業の入札が行われたのは今年の夏であり、福島県外の3つの県で各1500名ずつ検査をするということですが、対象県として長崎が決まっているだけでその他の県はいまだに選定されていません。環境省に問い合わせると、福島県での検査と同じ条件でやる必要があり、同じ機器、同じような技術水準の先生方がなかなかそろわないため遅れているという話です。しかし、ソナーによる甲状腺検査は決して特殊なものではありません。これでは、医師や用いる機器により体温が異なることがあると言っているのと同じようなものです。もともと疫学調査には感度、特異度、尤度(「ゆうど」)というものが考慮されるようになっていて、調査環境の違いをこれらの指標を用いることによって乗り切ることができるようになっています。また、震災瓦礫の広域処理が今年の春から言い出されましたが、昨年9月の段階で、瓦礫は被災地の市街地から海岸などへ搬出が終了していました。復興の妨げになるというのは明確な間違いであり、放射性物質の拡散が複数県に渡ることを考えたとき、福島県以外の瓦礫であってもそれを焼却処分することはその近郊に新たな放射性物質の汚染を広げることにほかなりません。つまり、瓦礫の広域処理は甲状腺検査の比較対象群での検査で、福島県内での検査結果と同じものを得たいという意図があったとさえみなせるのです。チェルノブイリ事故では事故から5年程度で急激な甲状腺がん発症の増加がみられました。日本でも同じようなことが起こることが予想され数年後には被害が明らかになることが予想されます。なぜ今、当面だけ被害状況をごまかすような動きがされているのでしょうか。

以上、6点、どう考えても不合理なことを述べましたが、これら以外にも不合理不自然な点は数限りなくあると言っていいほどです。日本は地殻の活動が大変に活発な国であり、日本において高レベル廃棄物の地層処分はとても安全を担保できません。更に地上保管でさえも火山活動や地殻の変動を考えると困難です。もしある程度以上の事故が起こればそれは地球的な放射能汚染になり、世界各国どの国にとってもいいことではありません。また、低レベルの被曝であってもその影響が深刻なことは最近やっと解明がされてきています。これらのことを明確に意識し、原発を巡る政策を議論してくださることを陳情します。

以上

*6月8日の記事「近づく戦争・テロ社会、これらの動きを止めるべきでは?」から一連番号を付しています。<<1217>>TC:38121,BC:13387,PC:?、 Mc:?