ニューヨーク市の北約60キロにインディアンポイント原発があります。3基の原子炉があり、うち一基は既に稼働停止をしていて、その他の二基も2013年と2015年に、20年の運転期間延長のライセンスを更新する時期を迎えることになっています。しかし、この原発の近くに断層があることが2008年に明らかになり、現在、2号機と3号機の閉鎖をするべきかどうかでもめています。更に、東部を含めて、アメリカの広い地域で地下から大音響が聞こえ、それと共に家が振動するという現象が観察されています。インディアンの伝説には大地から聞こえる音を題材にしたものがあります。アメリカの行政当局は、現状の地震計で地震波を計測していないことから、大地からの大音響と家屋の揺れを地震とは関係ないとしている様子です。
地質学的に大変に安定し堅い地盤であるカナダ楯状地の周辺部に5大湖からアメリカ東海岸に開くセントローレンス湾とへと至る河川が発達しています。5大湖の湖岸には多数の原発が立地しているわけですが、この一帯を横ずれ断層型の大規模な活断層群と見なすことができるのです。そして、インディアンポイント原発の近くで発見されたという活断層もこの一連の活断層群の一部であると思われます。
アメリカの地盤は日本に比べて大変に硬く、地震縦波の減衰も少なく、地震衝撃波の影響も受けやすいはずです。そもそも、地下からの大音響とか、地震計に捉えられていない家屋の揺れなどは全て地震衝撃波の影響とみることができ、アメリカ当局自体が地震衝撃波の存在を無視しているように見えます。
アメリカ国内には100基以上の現在稼働中の原子炉があります。そのため、現在、アメリカ国内には日本の数倍を超す量の高レベル核廃棄物がたまっています。しかしながら、アメリカ国内に使用済み核燃料などの高レベル核廃棄物を地層処分する用地はいまだに確保できてはいないのです。ユッカマウンテンという砂漠地帯に地層処分地が計画されていましたが、オバマ大統領がその計画を中止してしまいました。そもそも、核廃棄物のほとんどは重金属であり、重金属毒性は鉛と同じで、何億年経過しても消え去るものではないのです。そういった毒性のあるものを数千年とか数万年の間には地下水がどうなるか分からない大陸の大地へ何万トンという規模で地層処分などできるわけがありません。そして、事実、アメリカでは地上保管、つまり、地上に乾式キャスクという容器に詰めて保管することが計画され、一部では実施されています。
乾式キャスクは水を循環させる必要がなく、地震に対する耐震性もかなりありますから、それ自体としてはかなり安全なものです。しかし、容器の寿命が現状では50年程度とされていて、貯蔵のための施設を含めて50年とか100年ごとに更新する必要があります。高レベル核廃棄物は短く見ても数万年の安全保管が必要ですから、5万年の安全保管で100年ごとの更新としても、500回の施設の建て替えと容器の詰め替えが必要です。アメリカの安全保管基準は100万年とされているので、一万回の更新をする必要が予測されているはずです。ここには、燃料棒自体が100年とかまた1000年以上の耐久性があるかどうかという問題も残っています。
都市直下の地震はほとんど例がありません。ビルが立ち並ぶ現代都市の直下で起こった地震は世界的に見ても兵庫県南部地震だけと言ってもいいほどです。原発は岩盤の上に建設されていて、衝撃的地震動の影響を強く受けます。阪神大震災で観察された衝撃的地震動の事例は大変に貴重なものであるのです。それを生かし、今後の地球規模の災害を少しでも避けるために役立てるようにするべきです。
*6月8日の記事「近づく戦争・テロ社会、これらの動きを止めるべきでは?」から一連番号を付しています。<<1139>>TC:37909,BC:7169,PC:?、 Mc:?