第二次大戦の敗戦国であるドイツ・イタリアは脱原発をしたが日本はどうするのか?

 ドイツは福島第一原発事故を受けてメルケル首相が2022年までの段階的な脱原発を決めた。あまり知られていないがドイツでも原発の故障はかなりある。原発での放射能漏れに起因する死亡事故さえ起こっているし、かなりの放射能漏れを起こして廃止になった原発もある。( http://en.wikipedia.org/wiki/Gundremmingen_Nuclear_Power_Plant )反原発の動きが強いのは緑の党という環境政党の存在が大きいと言われている。

 イタリアは、日本ほどの地震国ではないがそれでもかなりの地震国であり、1986年のチェルノブイリ原発事故を受けて原発停止に踏み切っていた。ただ、全電力の17%程度を輸入していて、電力コスト高にねをあげていた産業界から原発再開を望む声が出ていた。そのため、停止していた原発再開をするかどうかの国民投票がもともと311の大地震の前にイタリア政府によって予定されていた。311の大震災と福島第一原発事故の後に実施されたイタリアの国民投票では投票率55%で原発凍結賛成は94%にもなった。

 ほとんど地震がないドイツで脱原発が決まり、日本ほどではないがやはり地震国のイタリアでも1986年のチェルノブイリ原発事故を受けて1987年には国民投票で原発停止が決まり、昨年改めて原発再稼動をしないことが国民投票の圧倒的多数で確認された。なぜ、世界でもっとも過酷な地震が起こる日本で、世界で唯一原爆を落とされた経験のある日本で、福島第一原発事故という過酷事故を経験した日本で、未だに脱原発が本決まりにならないのだろうか。

 ドイツの原発がおんぼろで放射能漏れ事故をしょっちゅう起こすために反原発の動きが高まったのだろうか。そうではなさそうだ。ドイツには現在すでに廃炉になったものを含めると40機の原子炉がある。その内、事故を原因として廃炉になったのはこの記事の冒頭で触れた一例があるだけだ。計画段階で反対運動が起き建設中止になったものも多く、原発賛成派と反対派が活発に動いていたのがドイツの歴史と言っていいだろう。事実、昨年メルケル首相が脱原発を国会に提案し、与野党がそれに合意したとき、それを「(与野党間の)30年戦争の終わり」と評したマスコミ記事があったのだ。この決断がされた時点でドイツ国内にはまだ廃止されていない原子炉が17機あった。そのうちの8機を即時運転停止(廃炉)にし、その他の9機を2022年までに段階的に廃止することになった。

 日本では54機の原子炉があり、そのうち廃炉が決まったのは福島第一原発の1号炉から4号炉までだけだ。その他の原発については今後20年かけて段階的に廃止をしようという話が一部の政治家から出ている。なぜ、こんなにテンポが遅いのだろうか。今後日本全国で大きな地震が続発することはほぼ明らかだとされているのに、そして、事実福島第一原発事故が起こってしまったのに。

 その原因を考えていくと、どうも戦争責任の始末がどの程度できたかどうかがドイツやイタリアと日本の違いを作り出しているように思えてくる。

 ドイツもイタリアも第2次世界大戦の敗戦国であり、日本もそうだ。敗戦国が核兵器を持てないことがあり、核廃棄物の処分が出来ないことを考えたら、何も原発を導入する必要性がなかった国々なのだ。自国内でほとんど処分が出来ない核廃棄物をいざと言うときは海洋投棄できますよと言われて導入したのが真相だろう。ちなみに核廃棄物などの海洋投棄を禁止したのは1972年のロンドン条約であり、これらの国が原発を導入し始めたのは1960年代だ。