TPPに関しての報道が急に止まっているように思います。まあ、元々TPPの問題点を指摘する報道は少なかったのですが、現在の状況をあまりに甘く見ている人が多いように思います。韓国はあれだけ輸出が伸びているにもかかわらず通貨安が続いています。日本は311の震災があったにもかかわらず円高に振れ、その傾向がより強まっています。つまり、巨大な資本が利益を求め、今までの仕組みを大きく超えて社会を背後から操っているのです。日本については、戦後の日本優遇の記憶が未だに強く残っていて、ソ連崩壊による日本の存在意義がなくなったことがあまりに理解されていないと思います。1980年代のソ連崩壊とほぼ歩みを同じくして日本の財政赤字は積みあがってきているのです。昭和の50年代までの経済・社会とは全く基礎が違っているのにもかかわらず、そのことが実感として理解されていないと思います。経済のかなりの部分が公的な機関による借金で支えられていることの意味が理解されていないのです。公的機関による借金と言うことはその対象が利益の出る事業ではないと言うことです。利益の出ない事業に借金で対応するため、事業自体による消耗と利子補給のためのマイナスという二重のコストがかかります。高齢化社会であると言うことは今後変えようがないのですから、働き方を変える必要があります。いわゆる経済的な利益を生み出すことを第一の目的とした働き方ではなくて、社会全体としてのコストを最小化し、利益追求ではなくて生きがい追求型への転換です。現代社会では利益追求の生き方を支えるために却って社会的なコストが非常に大きくかかっているからです。そして、TPP加盟はこういった社会の転換を不可能にするものです。TPP加盟により、ただただ短期的な経済合理性を追求する動きが幅を利かせてしまい、より一層公的な借金に頼る経済になって行くでしょう。そして、その行きつく先はまるでタコが自らの足を食い尽くしてしまい胴体だけになったように、まったく何も残っていない社会になってしまうのです。年間20兆円以上をかけて輸入している化石燃料に日本のエネルギーは頼っています。今のような借金生活が続けば、やがて円安に振れ、化石燃料の輸入に年間40兆円以上を使うことになるでしょう。50兆円とか60兆円を使っても輸入しきれなくなってしまうかもしれない。財政破綻をする前に地熱開発をして自前のエネルギー確保が必要なのに、TPP加盟はその道も閉ざしてしまいそうです。外資はかならず原発運転再開を求めるはずだからです。
そもそも、民主党政調会長は、党の議論を政府へ伝える立場であるはずです。そして、前原誠司政調会長の同意なしに野田政権は政策実行しないと言うのですから、TPP交渉参加表明はないはずですが、党の議論と党の政調会長の意向は異なるものになってしまっていて、党の議論とは関係なく前原政調会長の意向に沿って野田政権は動くことになる様子です。その前原政調会長が民主党の分裂はないと信じていると言うのですから明らかな論理矛盾です。まるで小学生がおもちゃがほしいと駄々をこねているようなもの。今回のTPP交渉参加はもしこのまま行けば、確実に日本の息の根を止める最後のとどめになるはずです。
かなり寒くなってきているので風邪をひかないように注意しましょう。
*6月8日の記事「近づく戦争・テロ社会、これらの動きを止めるべきでは?」から一連番号を付しています。<<839>>
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