Q6.事業者が賠償請求額を賠償措置(保険又は政府補償)及び自らの資力では支払い切れなかった場合は、どうなるのですか?
A6
原子力事業者は生じた原子力損害の全額を賠償する義務を負うので、支払いを免除されることはありません。しかし万一原子力損害の額が賠償措置額を超えてしまい、原子力事業者が自らの財力では全額を賠償できない等の事態が生じた場合は、国会の議決により政府に属せられた権限の範囲内で、国が原子力事業者に対して、最も適切な形態で支払いに関する援助を行うこととなります。
援助の方法としては、例えば、(1)補助金の交付、(2)低利融資、(3)利子補給、(4)融資のあっせん等、具体的事情に応じて最も適切な形態で行われ、これらによって被害者の救済に遺漏なきよう手当されることになります。

Q8.原子力損害発生時の被害者による賠償請求の具体的手続はどのようになっていますか。
A8
原賠法は、民法の損害賠償に関する規定の特例を定めたものですので、原賠法に定めていない点については、一般法である民法の規定に従うこととなり、通常の民事賠償における請求手続と同様になります。
原則的には、原子力損害が発生した場合の被害者は、原子力事業者に対して賠償請求し、原子力事業者がそれを認めれば、その損害を賠償して解決することになります。また、賠償債務の存在、賠償額等について当事者間に争いがあれば、最終的には、裁判所の判断により解決されることとなりますが、政府としても、当事者の紛争を迅速に解決するため、原賠法に基づいて原子力損害賠償紛争審査会を設置し、損害賠償の円滑かつ適切な処理が図られるようにしています(問9参照)。

Q9.原子力損害かどうかの認定は誰が行うのですか?
A9
原子力損害かどうかの認定は、賠償が加害者である原子力事業者と被害者との間の示談で行われる場合は、当事者同士で行うこととなります。
当事者同士の話合いでは解決しない場合は、原子力損害賠償紛争審査会に和解の仲介を申し出ることができます。原子力損害賠償紛争審査会は、原子力損害の賠償に関して紛争が生じた場合に文部科学省に臨時的に設置される機関で、紛争に関する和解の仲介及び原子力損害の範囲の判定等に関する一般的な指針の策定に関する事務を行っています。ただし、原子力損害賠償紛争審査会は、あくまでも和解の仲介機関であって認定の内容を強制することはできません。
被害者はまた、裁判所に訴えることもできます。この場合は、原子力損害かどうかの認定は、裁判所において行われることになります。

*6月8日の記事「近づく戦争・テロ社会、これらの動きを止めるべきでは?」から一連番号を付しています。<<478>>