数分前にニュートンプレスに次のファックスをお送りした。

Newton編集部様

 こんにちは。日頃、Newtonの特に地震関連の本をよく読ませていただいています。地震に関連して、縦波の影響について特集を組んでいただきたく、この文書を書かせていただいています。

 1昨日、9月29日午後5時ごろ、福島県中通り付近で発生したM5.8程度の地震は、天栄村で震度3であったにもかかわらず、同村内で震度5弱相当以上の被害を出しました。これは、震度計の設置場所が天栄村の役場であり、震源地がそれとは反対の村のはずれに近かったためと説明されています。これには、多分、もう一つの要素として、震源が20kmと比較的浅く、その震源のほぼ真上に位置していた村落がプライマリー波、つまり、縦波の被害を受けたからではないでしょうか?

  日本に関わらず、世界で見ても、地震被害の研究対象は主に横波であり、近年になりやっと、長周期地震動が注目されかなり研究が進んできている様子です。しかし、日本のように、大きな地震が比較的浅い近くで起こる地域では縦波による被害も考慮するべきではないでしょうか?

  昨年8月11日午前5時ごろに静岡沖地震が起きています。M6.5震源深さ23kmの中規模地震でしたが、震度6弱の揺れを御前崎市などで観測し、浜岡原発も自動停止しました。浜岡原発には合計5基の原発があり、そのうちの1号機、2号機は廃止が決まっています。3号機は定期点検中で、稼働中の4号機と5号機が自動停止したとのことです。原子炉のすぐ近くの地盤が20cmほど沈下したり、250本ある制御棒の駆動装置が約30本分故障するなどの被害が出たと言います。また、5号機で、基準設計で想定していた揺れよりも大きな揺れを観測した結果、一年後の今年もまだ運転再開が出来ず、一昨日(9月29日)またも再開延期になったそうです。

  浜岡原発は東海地震の震源域のほぼ真上にあると言われています。また、東海地震の震源深さも10kmから20kmぐらいであるはずで、そうであれば、地震の縦波が原発を直接襲う世界で初めての例になるはずです。
縦波とは粗密波のことで、日本のような地盤が軟らかいところでは比較的減衰しやすいと言われているようです。また、大きな地震が起こるところに原発を建設する事例も世界中では日本や台湾以外ほとんどなく、更に、大きな地震が起こること自体、50年から数百年と言う間隔ですから、今まで、原発の直近で強い縦波が起こるような大きさの地震が発生したことがないのではないでしょうか。

  浜岡原発は、東海地震の震源域の真上にあるとされ、しかも、震源からの距離が10kmから20kmほど。また、基本的に原発は岩盤の上に直接建てられますから、縦波が減衰しないで原発の建物を直撃することになるはずです。

  Googleで検索してみると、「地震 "縦波の加速度" に一致する情報は見つかりませんでした」と出ますから、そもそも、縦波の加速度自体を計測してはいない様子です。それだけ、縦波はあまり影響を与えない事例が多かったのでしょう。つまり、被害をこうむる建物と震源が離れていて、その間に軟らかい地層があるため縦波そのものが減衰してしまっていたのではないでしょうか。

  ただ、縦波は衝撃波と言われる通り、ハンマーで叩くのと同じような効果を持っていると言われます。だから、ヘタをしたら、原発のコンクリートでできた基礎自体が壊れてしまったり、原子炉を支えているスカートの部分が崩壊してしまうなど、原子炉自体の存続が危険にさらされるような被害が出るはずです。