日本の財政破綻が財務省の陰謀だとかいう意見がありますが、これも、まったく見当はずれの議論です。

 すでに貯蓄がない世帯が全世帯の2割以上になっています。また、65歳以上の人口は15歳以下の人口を上回っていて、今後、年金支払いだけでも年に十数兆円から40兆円が必要になってきます。40兆円必要なのは確か団塊世代が年金受給を始める2012年です。そのことが書かれていた本があったのですが、今見つからないので、書名を上げることができませんが、年額100万円の年金でも、2000万人が受給すれば、20兆円が必要です。実際には、http://www.stat.go.jp/data/kokusei/2005/kihon1/00/02.htmにあるように平成17年時点で65歳以上人口は2500万人を超えていて、団塊世代が65歳を迎える2012年から2013年には、年金支払いだけで税収を大きく超える事態になる。

 年金支払いが40兆円を超える資金を必要とするということが直接的に消費税を上げることを不可能にするわけではありません。ただ、それだけ、勤労世帯、つまり、働いて富そのものを創造する世代が少なくなっているとき、年金支払いのために消費税を上げても、ほとんど意味がなく、それは経済全体を縮小させ、より財政破綻を招くだけだということです。

 超高齢化が進んでいるとき、いくら銀行に資産があっても、それはすでに国債に化けていて、国債は国民に税金をかけて償還するしかない。しかし、税金を払う国民は全体として高齢化している。つまり、国債を買い支えてきた一般市民の貯蓄そのものが一般市民の超高齢化による担税能力の低下のため陳腐化しているのです。その内、パン一切れ買うのに1000万円、タクシーの初乗りに2000万円という時代が来るはずです。

 今消費税を上げてもほとんど意味がなく、却って財政崩壊を早めるだけ。それが分かっているから鳩山由紀夫は在任中に消費税を上げないと言っている。評論家やマスコミが消費税上げを言っているのは、事態をそもそも理解していないか、または、所得税や株の売買益などへの証券税制に対する課税強化を言わせないためでしょう。