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島根女子大生不明:広島の山中で女性頭部、平岡さんか

遺体発見現場付近に見える明かり=広島県北広島町の臥龍山の登山道で2009年11月6日午後6時24分、本社ヘリから西村剛撮影 6日午後1時45分ごろ、広島県北広島町東八幡原、臥龍山(がりゅうざん)(標高1223メートル)山頂付近で、キノコ狩りをしていた男性が女性の頭部を見つけた。広島県警は、先月26日から行方不明になっている島根県立大総合政策学部1年、平岡都(みやこ)さん(19)=島根県浜田市原井町=の可能性が高いと見て、身元の確認を急いでいる。広島・島根両県警は、頭部を切断して放置したとし、死体遺棄・損壊容疑事件として捜査を始めた。

 広島県警などの調べでは、見つかったのは女性の頭部で髪は黒く長かった。頭部は、臥龍山山頂付近に通じる道路の車両転回場の約10メートルがけ下で見つかった。現場は、広島、島根県境付近の山間部で、周辺にはスキー場が点在し、大きな集落はなく、人けのない場所だった。平岡さんが最後に目撃された島根県浜田市の中心部から直線距離で約25キロ南。

 遺体発見現場の臥龍山山頂付近には、近くの人がわき水をくみに来たり、ブナ林の紅葉やキノコ狩り、山歩きを楽しむ観光客が訪れるという。近くに住む女性は「パトカーが来て国道を規制していた。こんなことは初めて」と驚いていた。

 山のふもとにある博物館「芸北 高原の自然館」の男性職員(36)によると、遺体が見つかったがけの上の車両転回場は林道の行き止まりにあり、平日は2、3台の乗用車が駐車。休日には10台以上になるという。

 この職員は「(県境をまたいで)隣の市で女子大生が行方不明になったと聞き、元気に帰ってくればいいと思っていた。今月2日は雪が降った。その時に既に放置されていたのなら寒かっただろう。かわいそうで言葉がない」と話した。

 島根県警浜田署などによると、平岡さんは先月26日午後3時ごろ、大学から女子寮に戻り、午後4時半ごろからショッピングセンター内にあるアルバイト先のアイスクリーム店に出勤。午後9時すぎに退店してから行方が分からなくなった。香川県坂出市の平岡さんの母親が「連絡がつかない」と先月28日に捜索願を出していた。

 店を出る平岡さんの姿は防犯カメラに映っていた。女子寮までは約1キロで、平岡さんは徒歩で通っていたが、周辺は山林が続き街灯も少ない。平岡さんは今年5月ごろからこの店で働いており、先月28日には辞める予定だったという。

 同大によると、大学や女子寮周辺では今年4月ごろから、女子学生が見知らぬ男に声をかけられるなど不審者情報が十数件あったため、教職員らが夜間パトロールをしていた。しかし、夏休み明け以降は目立った情報はなく、見回りも行っていなかったという。

 ◇平岡さんの父「まだ何も聞いていない」
 この日夕、平岡さんの父旦(あきら)さんは、浜田市内で情報提供を求めるビラ配りに参加する予定だった。しかし、「遺体発見」の知らせに急きょ取りやめた。

 香川県坂出市府中町の平岡さんの実家では午後5時前、祖父がインターホン越しに応対し、「まだ何も聞いていない。無事を祈りたい」と話した。約1時間後、平岡さんの母親とみられる女性が帰宅し、無言のままうつむいて足早に家に入った。

 平岡さんが高校生のころ、アルバイトをしていた食堂を経営する新野百々子(ももこ)さん(52)は「一回言えば、すぐに仕事を覚える子。言った通りに動いてくれた。小柄なので無理しなくていいと言っても、まじめに働いてくれた」と絶句。「常連客と『はやく見つかればいいのに』と心配していた。信じられない」と涙声で話した。

 平岡さんが行方不明になる直前まで働いていた浜田市内のアイスクリーム店の女性店員は「大切な仲間がいなくなったというショックが大きすぎる」と言葉少なに話した。