これまでいろいろな宿泊施設にお邪魔したけれど、
立地条件や環境、建物、食事の面で、
最も特徴があると感じたのが、
長野県大鹿村にある「延齢荘」。
標高1000メートルを超える山中に位置しているため、
冬季は閉鎖されるのだが、
オレが伺ったのは冬季休業間際のとき。
雄大な山に囲まれたなかに建つ宿は、まるでアルプスの山小屋!(行ったことないけど)
ヤギが放牧されてるところも、まるでアルプス!(行ったことないけど)
この建物は、昔この地にあった小学校の校舎を移築したもの。
本当は取り壊しが決まっていたのだけれど、
こちらのご主人の母校の校舎がなくなるのは忍びないと、
有志を集めて移築を決めたそうだ。
教室が宿泊室や食堂になっていて、図書館はそのまま残されている。
木造校舎を知ってる世代にとっては、郷愁を誘われることは確実。
こちらのご主人は、この地でアルプカーゼ(アルプスのチーズ)に取り組んできた人。
チーズづくりの本場と同じ地理的条件を求めてここにやって来て、
見事に成果をあげてきていることは、食に携わる人たちの間ですでに有名らしい。
で、移築校舎を利用して民宿を始めることにして、
運営は娘さんにまかせている。
到着すると、元食堂らしい空間で、
シフォンケーキとハーブティのおもてなし。
小麦粉はここではできないけれど、
ほかはほとんどここで育てられたものでつくられている。
ここを取り仕切る娘さんは、
自給自足とか地産地消とかロハスとか、
気負ってるところが全然なく、
ただただ自然のままに暮らしている感じ。
ナチュラルな優しさがにじみ出ている感じで、
気持ちよく、非常にくつろがせてくれる。
元校舎の宿は見どころも多く、
館内や周囲をプチ探検するのも面白い。
自家菜園の野菜は後で食卓へ。
で、お待ちかねの食事。
山の幸、イワナの塩焼きに始まり、
サラダや煮物など、おいしい野菜料理が次々に。
で、こちらの名物である、
アルプカーゼの自家製チーズを使用した、
チーズフォンデュの登場!
食うのに懸命になって写真はなし。
お次は、もうひとつの名物の豚しゃぶ。
名物の所以はこの野菜。
さっきの自家菜園で間引きした野菜が使われる。
ほうれん草や水菜、ターサイ、チンゲンサイなどの
幼い野菜は香り豊かで柔らかく、
多彩な味わいを演出していた。
鍋もつい夢中になって、写真はなし。
チーズフォンデュをいただきながらワインも進んで、
実際のところ、写真なんかどうでもよくなってた。
部屋は正直、寒かったけど、
これもこの環境ならではのこと。
布団に包まれて温かくして寝るってのも、
幸せを感じるひとときだった。
翌朝の山の様子。
手づくりの温かさにあふれた朝食の後、
アルプカーゼの販売所にうかがってチーズをいただいたら、
思ったとおりのうまさ。
つい買い込んでしまった。
このときから5年はたっただろうか。
今思い返してみると、
ここは「アルプスの少女ハイジ」の世界そのもの。
厳しい自然環境の中で暮らすのは大変だと思うけど、
こちらの人たちはとても楽しそうで、幸せそうだった。
いつか必ずまた行かなくちゃって、
そう思える場所があることを幸せだと思わなきゃいけないかな。
延齢荘のデータは、こちら 。










