「秀邑」の夕食は部屋出し。


最近は、食事を供する際の手間や人件費を考えてか、

食事処でまとめて給仕するところが多いけど、

旅館ってのは部屋で食事できるのがいいんだってことに、

改めて気づかされた。


で、奥湯河原ってとこは海も近いし、

近隣に農家が多そうで、

食材に恵まれているところのように思ってた。


が、農作物はともかくとして、

湯河原で水揚げされる魚は、

アジやカワハギなど庶民的なものが主。

高級を謳う旅館にふさわしいものが少なく、

たいがいは築地に頼っていたらしい。


その点、こちらは極力地元の魚を使っているとか。


極端な話、高級食はお金さえ払えば手に入るけど、

地の味わいは、その土地に行かなくては経験できないもの。


それを大切に考えているってのは、期待が持てる。


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まずはジャガイモの冷たいスープ。

いわばビシソワーズなんだけど、

和風仕立てになっていて、

夏の夕餉の始まりに、とても涼やか。


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前菜の中で目を引いたのは、

手前の、魚の唐揚げ。

地元の港では捨てられちゃうような安魚なんだけど、

唐揚げにするとビックリするくらいうまい!


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椀には蒸し鮑とじゅんんさい。

真に結構なお味。


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お造りには件のアジとカワハギが。

やっぱ地の魚ってのは一味も二味も違う!


ちなみにこちらでは、

刺身の付き物のワサビをあえてそえていない。

というのも、魚が新鮮だから、

ワサビを使う必要がないからだと。


たしかに、その説ごもっとも。


ワサビが消してしまう味ってのがあるんだね。


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冷酒の供し方も上品この上ない。

給仕してくれる仲居さんも感じが良くて、

部屋食のよさをしみじみ感じる。

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焼物は3種。

焼蛤まであって、

ちょっとずつ違う味が楽しめるってのがいい。


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ここでお凌ぎのそば。


ここではワサビもたっぷりで、

いい口直しになった。


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地元野菜のサラダ。

洋の味を上手に差し挟んでいるから、

目先が変わって食事がより楽しく感じられる。


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葉山牛のステーキは盛り付けも絶妙。


焼き加減や肉のうまさはもとより、

コースでいただく場合、

肉料理はこのくらいの量がベスト。


バランス感覚にすぐれた献立だ。


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ご飯は、ゴマダレにつけた鯛の刺身と一緒に。

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刺身として食ってもいいけど、

やっぱ鯛茶でしょ!

このシメも最高!!


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漬物がうまかったことも高得点。


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デザートも控えめでいい。


旅館の食事で独自色を打ち出すのは、

実はとても難しいことだと思うんだけど、

こちらはすでに確立しているような印象。


こうなると朝食が楽しみなんだけど、

翌朝は仕事の関係で早く発たなきゃいけなくて、

朝食をいただくことができなかった。


残念至極。



「秀邑」 、また行かなきゃいかんだろう。