以前、「祇園 花霞」のことを書いたことがある。
初めてうかがったのは2006年12月 。
お次が去年だと思ってたんだけど、
調べてみたら2007年4月 。
長らくご無沙汰してる間に、
店を任されていた末友さんは
一国一城の主となったと便りをいただいた。
行かなきゃ!と思っていたんだけど、
しばらく京都から足が遠のいていて、
この日ようやく実現。
雨の中タクシーで行ったら、
八坂通りの建仁寺の向かい側に、
立派な店を構えて独立しておられた。
控えめに暖簾を掲げながら
きっちりと風情を漂わせる入口だったんだけど、
雨降ってたから写真はナシ。
暖簾をくぐったら、そこは露地っぽくて、
氷柱の涼やかなこと!
蒸し暑さもすぐさま吹っ飛んだ。
座敷のカウンターに上がると、
すでにお客さんが席に着いておられたので、
季節の移ろいを伝えてくる。
まずは紫蘇ジュース。
白木のカウンターがまぶしいほど。
飲み物のオーダーが済んだころ、
店主・末友久史さんがしずしずと現れ、
カウンターの端から順に挨拶をし、
竹の酒器で食前酒を一献。
「一期一会」の食の幕開けが
見事に絵になっていて、
エンターテインメント性も抜群。
これはこれで見事な厄除け。
鬼灯の中には鱧落とし。
手前左は笹寿司。右はいなだ。
いなだってのはブリのことで、
ヘシコのような味わいになっている。
酒が進む味!
ヘシコっぽいと思ったのも間違いじゃなく、
金沢からのものだそう。
花山椒の麗しいこと!!
そうそう、詩仙堂の紅葉もこういう色のがあった。
鱧の骨からだしをとったもの。
非常に繊細な味わいが、
いただくごとに折り重なっていって、
最後に完成するって感じ。
お見事!
ワサビの上にある黒いのが、
北海道の生海苔で、
一緒にいただくと味わいが何倍にも。
ただ、そうするとおいしすぎちゃって、
鯛自体の味わいが薄くなるから、
塩だけ、醤油だけ、ワサビをきかせたり、
色んな方法でいただいてみたが、
どれもしっかり堪能できた。
鯛自体がうまいからなんだろう。
続いて、できたての汲み上げ湯葉。
そう、これも自家製。
とろけるような舌触りは絶品としか言いようがない。
そんなことを思っていると、
♪シャクッ シャクッと、
あの耳にうれしい音が聞こえてきた。
カウンターの中では末友さんが
鱧の骨切りの真っ最中。
この姿なんか、
歌舞伎で言うと見得を切ってるみたいなもので、
素晴しく様になっている。
骨切りが終わると、
引戸の向こうにある炭焼き場に姿を隠し、
カウンターに戻ってから出てきたのが、
炙り鱧。淡い味わいの梅酢とともにいただくと、この上なく上品な味わいが楽しめた。
香りもかつて経験したことないほど。
で、鮎は頭と骨を取ってから供された。
ワタの苦味が強くてふくよかで、
これを絶品と言わずしてなんと言おう!
味の焼き霜は酸味のきいたポン酢に、
大根おろし、茗荷、ネギをたっぷりと。
カリカリに炙られて再登場!!
こういうの大好き!!
一般に鮎は頭から食べられるように
しっかり焼いて出されるのだけれど、
それだと身に火が入りすぎるから、
別にしていると末友さん。
なるほど、仰るとおり!
しかし、この細やかな感覚には舌を巻く。
夏大根のみぞれ仕立てで登場。
素材自体の甘さが重なり合って、
おっそろしく優しい味わいにホッコリ。
青海苔の香りもいいアクセント。
そしてとうとうご飯の時間。
「祇園 花霞」のときと同じく、
ひとり(一組)ずつ陶器の釜の炊きたて!
ジャコと小エビ入りの炊き込みご飯は、
その香りでもう桃源郷。
ふっくらとした炊き上がりでツヤツヤ!
見た目どおりの研ぎ澄まされた味!
赤出汁には冬瓜入り。
夏だね~~。
この水ナスがまた最高!!
(ちなみにこれも自家製)
マイベスト水ナスだったかも。
以上で食事は終わり、次は水菓子。
まとめ盛りで華麗に登場させるのが末友流?
桃のシャーベットに、パッションフルーツとドラゴンフルーツと宮古島のマンゴー。
これまた食感が楽しくて、
「別腹」って感覚がよくわかった。
で、炊き込みご飯は、
末友さんがせっせとおにぎりにしてくれて、
翌日ガッツリ食った!
末友さんは、
手際よく仕事をこなしながら、
客のすべてに目を行き渡らせ、
それぞれきちんと会話を交わして
飽きさせることがない。
自らの店だからか、
のびのびと生き生きとしているようで、
あの豪快な笑いは相変わらず。
結果、客に緊張を強いることなく、
「味わう」ことをしんから楽しませてくれる。
もちろん、料理は基本をしっかり抑えながら、
プレゼンテーションにおいては
繊細かつ大胆に自分の色を打ち出し、
「京都」のよさを堪能することができた。
で、結論。
末友さんは見事な料理人でありかつ、
素晴しいエンターテイナーだと思った。
で、約2時間半みっちり楽しめて、
贅沢極まりない料理なんだけど、
お値段は¥15000。
これ、超お値打ちじゃねぇ?!
かなり感動したんで、データをば。
祇園 末友(ぎおん すえとも)
京都市東山区大和大路四条下る4丁目
小松町151-73
電話075-496-8799
営業時間
昼 12:00~12:30(入店)
夜 カウンター18:00~18:30入店
夜 座敷18:00~19:30入店
水曜と木曜昼は休 要予約

























