小樽二日目の夜、
地元の方に連れて行ってもらった名店は、
曰く、居酒屋感覚のおいしい洋食店、
1階はカウンター席になっていて、2階は船の絵がいくつも掲げられたしゃれた空間。
この日はコースをお願いしてくださっていて、最初はツブ貝、
次はグリーンアスパラと筍のグリル。オリーブオイルと粉山椒がいいアクセント。
いずれも旬の味わいで、「北海道ワイン」の白とぴったりマッチ!
続いては冷製のものがふたつ。
左は山菜のあずき菜とタコの頭の部分を和えて茗荷をそえたもの。
次は名物のシャコとホワイトアスパラ、空豆のサラダ仕立て。
ホタテ貝柱とキノコのソテーはこれまでと一転してコクのある味わいで、ここから赤ワイン。
パスタもいただいたんだけど、こちらの名物であるハヤシライスもいただいて締めくくり。
実は急にコースをお願いしたもんで、材料が揃わず、
シェフとしては不本意な内容だったということだけど、
なんのなんの。
どれも定番の安定した料理にひと工夫が加えてあって、
安心していただきながらはっと膝を打つような感覚が味わえ、
「KOIZUMI」の味を十分堪能した。
我々が食事している途中、
なじみ客と思しき老婦人がひとりでやってこられた。
非常に上品な装いと口調には、
只者じゃない雰囲気がただよっている。
シェフに紹介されてお話をしたら、
以前は鎌倉に住んでいたけれど、
ご主人が亡くなって小樽に移住したとのこと。
ご婦人は昔、舞台女優をしておられたと聞いて、
みんな納得。
たまたま入ってみたこの店が気に入って、
ひとりで通うようになったのだそう。
「KOIZUMI」という店は、
おいしいだけじゃなく、
小樽を訪れた人を等しく歓待し、
人と人とを繋いでくれるような店。
まさしく小樽の名店だ。