最近の忙しさは異常だ。


いや、いろんな依頼に、

ダボハゼみたいに食いついた自分が悪いんだけど、

実際に進行していくうちに、もう真っ青。


そんな閉塞気味な日々の中でも腹は減る。


少しでも時間かけないですますために、

ある日、立ち食い蕎麦屋に行った。


いや実際はいす席ばっかで、

立り食いってわけじゃないんだけど、

食券制だし、「蕎麦屋」とは言い難いものがある。


久しぶりにこの店に行って気づいたのは、

ホール担当の女性店員が非常に好感度の高い接客をしていて、

常連客と思しき人とは世間話なんかを交わしてる。


立ち食い蕎麦屋には珍しい雰囲気だ。


そんな時、若いサラリーマンが店に入ってきて、

件の女性に「書類の忘れ物なかったですか?」と聞いた。


「いつの忘れ物ですか?」


「昨日の昼ごろです」


内心オレは「無理」と思ってたんだけど、

「これかしら」と女性が出したの黄色のクリアファイルに入ったもの。


「それです!」と若いサラリーマン。


彼はお礼の言葉もそこそこに「あったよ~~~」と、

店の外にいた同僚に泣きの入った声で言いながら出て行った。


「よっぽど大事なものだったんだろうね」と常連客の中年男性。

「無くすと大変なものだったんでしょうね」と女性店員。


芝居が目の前で展開しているような感じで、

なんだか自分まで「よかった~~」ってな気分になったし、

他の客も心なしか嬉しそうな顔をしているように見えた。


こういう日常って、いいな。