九州の中で、佐賀県ってのは影が薄そうで、
「SAGA」なんかで卑下して歌われてるけど、
そんなことは全然ない。
なんたって、有田、伊万里といった焼物があり、
いい温泉があり、海は玄界灘と有明海があり、
農産物にも恵まれている。
だから、昔からいい温泉旅館がある。
その辺りは福岡県と段違い。
そんな感想を新たにしたのが、
武雄温泉の「御宿 竹林亭」にうかがったとき。
温泉街から離れたところにあって、
御船山は鍋島家の別荘があったところで、
現在は「御船山楽園」と呼ばれる観光庭園。
季節ごとにきれいな花が咲くことで有名らしい。
オレがうかがったのは晩秋だったから、
花には縁がなかったけど、
紅葉が混ざった情景には目を奪われた。
ありがたい気分を味わった。
「竹林亭」は武雄温泉の老舗旅館が建てた、
いわば別邸タイプのはしり。
藩ゆかりの公園の中で営業できるってことは、
そうとうなコネクションがあったに違いない。
というか、そういう血筋なのかな?
玄関を入ると、昔ながらの旅館の風情。
振り返ると、打ち水に映った格子が粋。
玄関に上がっただけで、
これほど情緒とくつろぎ感じたのは、
最近ちょっと記憶にない。
和モダンの新しい宿もいいけれど、
旅館を訪れたことのワクワク感とか、
日本建築の計算されつくした美とか、
そんなことを感じる宿はなかなかない。
リラックスしに行くところだから、
緊張感とかないほうがいいのだろうし、
それはそれで間違いじゃないと思う。
でも、日本旅館ってのは、
どこか背筋が伸びる感じを保っていて欲しい。
それなりの金額を要するわけだから、
それなりの付加価値を感じたいし。
そういった意味で、「御宿 竹林亭」 には、
玄関を入ったときから感じるものがあった。
空が茜色に染まっていた。
空までがもてなしの一部のようだ。




