さてさて、龍神温泉日記も3回目。
取材旅のハイライトは、
江戸時代から続く老舗旅館「上御殿」。
外観からして、見てのとおり立派な様子。
その昔、お殿様御用達の宿だったそうで、
「おなりの間」という名のこの部屋は、もちろん宿泊可。
次の間はこんな感じ。
昔造りの部屋っていうと、
歴史の澱みたいなものが堆く積っているいるようで、
なんとはなしに、おどろおどろしいものを感じるものだけど、
ここにはそれがまったくない。
むしろあっけらかんとしたような、
いい「気」が漂っている。
それは、この部屋に限らず、どこも同じ。
確かに建物は古いんだけど、
館内は生気に満ちているような印象を受ける。
その理由を考えてみたら、
隅々まで掃除が行き届いていることにあるのかも。
取材でうかがったときはチェックイン前の時間帯で、
従業員総出で掃除の最中だった。
人がきちんと手をかけたものって、
ちゃんとこたえてくれるものなんだな……。
天然岩魚の塩焼きをはじめとした山の幸満載の食事は、
懐石や豪勢なごちそうにはない、
心をまろやかにしてくれるような味わいがあった。
ここで、うちのセレブAさんが本領発揮.。
テキパキと宴席を仕切ってくださった。
さすが、某番組で化け物(失礼)たちを
コントロールしてる人だけのことはある(笑)。
いや、Aさんは見事に気配りのできる方で、
思ってたとおり頭脳明晰、才気煥発。
本当にステキな女性だった。
夕食後は、ロケハンでうかがった、
渓谷沿いのカフェへ。
ご夫婦の娘さんが「蛍狩り」に誘ってくれて、
近くの山道を入っていったら、
小さな光がそこここでチラチラ。
ヘイケボタルのようで、
そのはかなげな光の瞬きには情緒たっぷり。
いい夜だったな……。
実のある食事と言えばいいだろうか。
日本の田舎ならではのおいしさが、
五臓六腑にしみわたった。
もうひとつ、龍神温泉の特徴として、
欠かしてはならないのがその泉質!
「美人の湯」と呼ばれる温泉は、
見た目は透明でさらっとしてるけど、
湯につかって肌を触ってみると、
ヌルヌルとしたぬめりを感じる。
そして、風呂上りには、
肌がしっとり滑らかになっている。
男がこれだけ喜ぶんだから、
女性陣の喜びようは喧しいほど。
内風呂も混浴露天も、日高川沿いにあって雰囲気も極上。
ついでにこれは、近くにある旅館「下御殿」の露天風呂。
「上御殿」は見事な老舗旅館だけど、
決して高価でなく、相対的に高品位。
先日、「ガイアの夜明け」に女将が出てて、
外国人観光客向けに色々努力しておられる姿を拝見。
きっと、今も高いレベルを維持してるんだろうな。
取材・撮影も無事終了した後、
道端にぼけ~っと立ってたら、
目の前にお年寄りグループの車が止まった。
窓が開いて、上品なおばあちゃまから、
「美人の湯はどこですか?」とたずねられた。
手遅れだとは思いつつ、
この辺一帯のことを説明して差し上げた。
「美人の湯」の効果には、
きっと驚いたんじゃないかな?
さて、宿を辞するとき、
この辺でおすすめの観光地を教えてもらったら、
「ゴマダンダンがええよぉ!」。
「ゴマダンダン?」
「……?」
ガイドブックを指してくれたところには、
「護摩壇山」と書いてあった。
そうだ、和歌山弁ってのは、
「ザ、ゼ、ゾ」が「ダ、デ、ド」になるんだって、
テレビでやってたな。
なんだかかわいい語感で、
妙に気に入った。








