土地の良さを提供していきたいと考える、
大自然の宿「合歓のはな」
の食事編。
宮崎牛や地鶏や柑橘類など、
昨今、宮崎の味は全国的に有名になっている。
これはひとえに東国原知事のおかげといっていいだろう。
「合歓のはな」がある北郷は山間にありながら、
日向灘から決して遠くはなく、
宮崎が誇る海山の美味が豊富にそろうという
恵まれた土地柄だ。
そんなバックグラウンドをもつ宿の夕食は……。
食事は各部屋ごとに分かれた食事処で。
まさに現代旅館の本流だ。
折敷紙には見事な桜。
最初の胡麻豆腐も桜のよう。
(できれば花びらは5枚あったほうが……)
「風ひかる、猪八重の芽吹き前菜」と題された前菜は、
宮崎県の形の御影石に2人分盛り付けられていた。
1人分を取り分けると、うるいの白和えや、鮎うるか、かつお酒盗など、盛りだくさん。
ビールは早々に切り上げて、地元北郷産の芋焼酎「銀滴」にチェンジ。
これが、思いがけなく上品な味わいで、食事にもぴったり!
吸い物は鯛の潮汁。
これがまた上品で味わい深くて。
お造りはカツオ、甘エビ、ウニ、タイと、
いずれも日向灘の南郷目井津港で水揚げされたもの。
小皿は右から宮崎の醤油、ポン酢、関東の醤油。
宮崎の醤油は甘いと聞いていたけど、
ここまで甘いとは思ってなかった。
これで「づけ」をつくるとうまいだろうな。
でも、慣れてない人にこの醤油はきつい。
だから、甘くない醤油も要しているのだとか。
これって、地元の味を知ることができ、
しかも好みの味も楽しめるいいアイディアだ。
出た! 噂の宮崎牛!!
最近、脂分が多い牛を苦手にしてきたけど、
この牛の脂の軽さ、爽やかさは別格!
煮物はタイの真子と筍。
山菜天ぷらは周りの山でとれたもの。
蒸し物は地元産の山芋と白子と貝柱入りで、まったりまろやか。
酢の物はミズイカ。
ウニとモズクもいい味だった。
ご飯も県産のエビノ米。
高菜の漬物も味噌汁も、田舎の温かさがいっぱい。
これぞ本物の味といってもいいだろう。
デザートは「日向夏」と「タンカン」。
日向夏は白い部分も甘いという珍しいタイプ。
柑橘の話をうかがったら、各種見せてくれた。
小さいのが生食できるキンカンで、
左がタンカン、右のレモン色が日向夏。
奥は甘夏だったと思う(不確か)。
夕食の感想は、
オレが超満腹になったから量はかなり多め。
夕食の時間は特に決める必要はなく、
18時~20時の間ならいつ行ってもいいというのが嬉しい。
料理の内容はそれぞれに楽しいけど、
もう少し引き算したほうがそれぞれが生きるかも。
宮崎牛が感動的なうまさだっただけに、
全体のバランスが惜しい気がした。
明けて朝食は8時~10時までの間に。
湯豆腐をメインに、地元産の生ハムや飫肥天(おびてん)、
梅干や漬物まで、どれも素朴なおいしさでご飯も秀逸。
うまいものを少しずつというのがいい。
食後はロビーのテラスで、
川のせせらぎやカジカの鳴き声を聞きながら、
コーヒーをいただきつつ一服。
まさに至福のひとときだ。
宿の人々に見送られながら出発したのだが、
名残惜しいという気分を久しぶりに味わった気がした。
「合歓のはな」
はオープンして間もないが、
オーナーの志の高さと、スタッフの気持ちがかみ合っていて、
とても心地よい時間を過ごすことができた。
これからどのように発展していくのか、
期待せずにはいられない。