ひっそりとした風情のあった由布院温泉も、

今や一大人気観光地となっていて、
中心街は好ましからざる様相を呈している。

しかし、一歩奥に入ってみると、
田んぼや畑があるのどかな農村地帯というのは、

今もそんなに変わっていない。

「玉の湯」にもその長閑さが漂っている。

そして、その食事はまさに由布院の美味三昧。

地産地消がもてはやされる昨今だが、
そんなことを謳うまでもなく、
地元の味わいでもてなしてきたんだから、
先見の明があるというか、
旅館のあるべき姿がここにはある。

では、その夕食。




旬の山菜などの盛り合せ


自然薯と、酸味がきいた爽やかな味付けのおから。


日本酒「西の関」は、
やはり地元工芸家のちろりで。

お刺身

この日はやまめ(いわな?)。
海の魚を出すこともあるそうだが、
川魚のほうがこの土地らしくていい。

お吸物

甘くて芳醇な味噌を使った鯉こく。
鯉は臭いがあるから敬遠する人もいるけど、
これは全然気にならない!
鯉こくってこんなに美味いんだ!ってのが正直な感想。
お吸物はスッポンか鯉こくかを選べるシステム。


箸休めの酢の物と、地元のお菓子・おかず豆。


自家製生ハム(超美味!)と岩魚の塩焼きはお好みで。


田舎風煮物は、ほっとする一品。
土地の力をそのままいただいているよう。

ここまで、どれもこれも見事なもので、
この辺でかなりお腹いっぱい。

そこで、メイン。
豊後牛かスッポン鍋のどちらかを選ぶんだけど、
複数で食事してたので、両方堪能できる!!


豊後牛の美味さを知ったのは、その昔こちらでいただいたときのこと。
相変わらず、豊後牛は美味い!


さらに地鶏まで!


さらにさらに、現在使用を検討している、
阿蘇の放牧牛を試食。
脂身が少なくて味わいが濃いのだけれど、
安定供給できないのが難点なのだとか。
オレは豊後牛よりこっちの方が好みかも。


スッポン鍋は、まず身をいただき、次に野菜をいただいた。
身やゼラチン質の部分まで滋味にあふれていて、野菜までおいしく炊き上がっていた。
それもこれも奥行きのあるだしの味わいのおかげか。
ただし、雑炊は辞退。もう、ほとんど満腹なんだもん。

だから、ごはんと香の物、味噌汁は軽く済ませて、
残ったご飯はおにぎりにしていただく。

デザートはゆずシャーベット、季節の果物はイチゴ。
手を加えすぎない魅力は最後まで!

この後、はち切れそうな腹をさすりながら、「ニコルズ・バー」でグラッパのグラスを傾け、
部屋に戻ると、おにぎりが置いてあった。

このプレゼンテーションのしゃれたこと!

しかし、腹がこなれないので、

風呂に入って消化を促進させ、完食!!


気持ちのいいベッドのおかげでぐっすり眠り、
程よい空腹感で朝食を迎えた。



朝は、和食か洋食を選べる上、
卵の調理法もたくさんある中から選べるシステム。
食事処は昨夜とは庭に面した違うテーブル席。


和食


フレッシュジュース(リンゴとにんじん)に始まり、オレの卵料理はだし巻き。
魚はジャコわかめ(干物を選ぶこともできる)。
クレソンのおひたしや汲み上げ豆腐など、量も程よくヘルシー極まりない内容。

洋食
(これはイメージ)

ジャムやクレソンのスープ、オムレツなど、どれも美味そうだったんだけど、
分けてくれなかった……。


こちらの食事は「山里料理」と称しているけれど、
ただの田舎料理ではない。
味わいや見た目に工夫が凝らされていて、
選択の幅を設けているところも面白い。

自然の中にある旅館でいただきたいのは、
こんな料理なんだと実感した。


自然と共生しているかのような環境の中で、
温泉を楽しめ、部屋や談話室で心底寛げ、
味覚に驚きと満足がある。
しかも、喫茶やバー、売店はもとより、
書庫の蔵書まで充実しているとは!
いい具合に放っておいてくれる感じも、
大人の憩いの場として申し分ない。


「玉の湯」の総合力は、まさに比類なし。

詳しくは、こちらを。