昨年6月、宝塚バウホールで行われた花組公演「舞姫」のことは、

過去の日記にも書いて絶賛した。

http://ameblo.jp/takeching/entry-10067009765.html


バウホールとは、宝塚版小劇場。

若手中心の出演者によるミュージカルを主として、

ダンスパフォーマンスや舞踊会のほかに、

最近はワークショップと銘打ったものまでが行われる。


次第のスターを発掘する場と言ってもいいだろう。


バウホールで公演された作品は、通常、

トップスターか準トップクラスが主演したものでないと、

東京公演が行われることはない。


「舞姫」の場合も、主演は組内No.4だし、

最初はバウホールのみで終わるはずだった。


それがそれが、作品のよさに押されるようにして、

東京公演が実現したのだ。


これはもう絶対に観なければならない!!


ってんで、知り合いにチケットの手配を頼み、

本日昼の公演を観てきた。


席は前から6番目のセンターあたり。

さすが、いい席だ。


バウホールで観たときは、

観客席の最後列の後ろのパイプ椅子。


それでも感動したんだから、この席だとどれほどだろう。


と思っていたんだけど、

舞台左右袖で同時に芝居するシーンが多く、

きょろきょろしなきゃいけなくて、若干疲れた。


バウホールのときのように、

全体を俯瞰できる席のほうが、

この芝居の魅力は伝わるように感じた。


もちろん、近い分、役者の表情がよく見えて、

細かい芝居に感心はしたけど。



2度目だから、少し点数が辛くなるところだが、

前回に比べて劣っている点は皆無。


強いてあげるなら、劇場の質が……。


とにかく、みんなレベルアップしているのに感動した。


愛音羽麗、野々すみ花の主演ふたりは、

前回よりさらに研ぎ澄まされていて、舌を巻くほど。


画家役の華形ひかる(だっけ?)は

前回の公演中、ちょっと見劣りがすると思ったが、

今回は何倍も成長していて正直驚いた。


約10ヶ月の間に、こんなに変わるなんて、

宝塚の生徒の伸びしろの大きさは底知れない。



さて、宝塚の特徴は座付き作者(演出家)にある。


専属の演出家を何人も持つなんて、

今どきの劇団経営では恐ろしく難しいこと。

(その上、宝塚は専属楽団も持ってて、

大劇場公演は生演奏!)


宝塚歌劇というのは、座付き作者がいたからこそ、

生徒(出演者)の個性を生かした役をあて書きすることができ、

組構成にあった魅力的な作品を作り出してきた。


それが近年、宝塚の大劇場作品は劣化が激しい。

オリジナルの新作はかなり厳しいものがあるし、

過去の作品の再演でも、演出家が改悪してしまう始末。

まともなのは海外ミュージカルだけ。


それでも舞台が成立してきたのは、

宝塚という特殊なカンパニーだから。

つまり、スターに頼りきりな状態だったといっていい。


それが、「舞姫」は久しぶりの傑作!!

いや、オレが見たオリジナルでダントツ1番。


全体を通して流れる優しくも切ない音楽。

今回のメンバーを生かした配役。

それぞれ役に生きていた出演者。

そして、無駄なく簡潔でいながら、

感動と共感のツボを押さえた演出。


だから、抗いようのない悲恋が、

しみじみと心にしみこんでくるようで、

いつまでも余韻が消えない。


こんなに涙を流したのも久しぶりだ。