繋温泉に来たのは、

「つなぎ温泉 四季亭」が目的。

じつはこちらにお邪魔するのはこれが2度目。

前回は「食」自慢の宿としての取材。
今回はNHK朝の連続テレビ小説「どんど晴れ」の
「加賀美屋」に関連した宿として。


「四季亭」は繋温泉の奥まった場所にあり、
自然の景観に恵まれているわけではない。


そこから着想したストーリーがドラマに盛り込まれたとか。

それは、温水洋一が記者役で登場し、
主人公・夏美役の比嘉愛未の対応に得心する話。

そのシーンを覚えている人はいるだろうか……。

とにかく、「四季亭」で感心するのは、
女将をはじめとしたスタッフ全員が、
岩手の言葉と真心で接してくれること。

旅に出たらその地の魅力を感じたいと思う、
オレみたいなタイプの旅人にとって、
それは、この上ないもてなしだ。





ロビーに入ると、素朴な雛飾りや桃の花。
これを見ただけで、宿の姿勢がわかる。



これぞまさしく、
正しい日本旅館の風情だ。


お付き菓子のごまゆべしも気に入った!

庭に出てみると雪が激しくなっていた。

温泉宿で見る雪は、
旅情にあふれてロマンチックですらある。


内風呂の外に露天風呂がある大浴場でも、
雪見風呂が楽しめる。
ここの湯はかすかに硫黄臭がして、
肌がツルッツルになる!!


ではここで、食にも定評のある、
「四季亭」の夜膳。

と、その前に、コースターを見たら、
地元の観光名所がイラストと文で紹介されている。


なんでもDM代わりに製作している
宿からの「旬の便り」より抜粋したものだとか。


プロモーションや小道具まで、温かみがある。


さて、食前酒は「柚子の露」。
香りがよくでジュースのようだった。

膳菜(前菜のこと)


蛤と筍の胡麻酢和え、ずわい蟹酢浸し
ズワイガニは薄切りのカブに包まれていて、
彩の美しさに感心。

こんな繊細な料理には、
当然、日本酒。

岩手県産の米だけを使用した
「あさ開」の純米大辛口「水神」。
地の味に合うのは、やはり地の酒だ!

刺身(お造りと称しないところがいい)

美しい絵入りの和紙に包まれて出され、
和紙を取ると、見事な刺身が現れる。


鮪大名作り、白身切り重ね、北寄貝、牡丹海老……。
白身(ヒラメ)でウニを巻い超贅沢な一品に、
思わず歓声をあげてしまった。
マグロもホッキ貝もボタンエビもどれも最上級。
三陸海岸の恵みってのは、すごいものがある。

口替り

どれも酒が進むものだったが、
牡蠣の時雨煮とカラスミが事の外!!

鉢肴(焼物のこと?)

鰆の西京焼き。
焼き立てアツアツというタイミングのよさに感心。
味わいは上品そのもの。
付け合せのお多福豆の天ぷらが楽しい。

煮物

里芋饅頭に筍に生麩、
組み合わせのよさとともに、
きっちりとだしを聞かせた味付けに、
板場の腕の確かさを感じた。

鍋物

湯葉包み鍋という名のこの鍋は、
具材が湯葉で包まれていて、
火が通ってくると湯葉が膨らむという
ユニークな仕掛けになっている。
この日の具材は撮影用に用意していただいた山菜。
なんという美味さ!!

替り鉢

前沢牛のしゃぶしゃぶ。
これまでしゃぶしゃぶで食った肉の中で、
これが一番オレの口に合うような気がした。
前沢牛って、柔らかくて香りがいいのに加えて、
脂身の味わいが違ってた。


しめの食事まで完璧!
地の味噌を使った味噌汁にはジュンサイ。
漬物はまさに地の味!

水菓子はキャラメルタルトに
苺、キウィ、柚子シャーベット。
タルトは地元洋菓子店のものらしいが、
手作り感があって上々。

気づいたら食べ終えていた……。

腹いっぱいになって部屋に戻ると、

床が敷いてあった。

当たり前のことなんだけど、
日本旅館っていいな~~と思った次第。

その上、座卓の上には冷水入りのポットのほかに、

七福茶に松茸茶。
おみやげ物として販売している商品の
プロモーション的なものなんだけど、
いろんな飲み物が試せるのはうれしいもの。


朝食も、地のもの満載の傑作。



改めて言う必要もないと思うけど、
つなぎ温泉「四季亭」は、
岩手のよさがしみじみ伝わってくる名宿だ。

「四季亭」の詳しいことは、こちらへ。