取材第3弾は、
評判の高い天草の宿「五足のくつ」。
朝8時発の飛行機で羽田空港を飛び立ち、
福岡空港から天草エアのプロペラ機に乗って出発!
天草空港からはレンタカーを借り、
宿に着いたのが12時30分。
東京から所要時間4時間半でようやく到着。
到着してまず案内されたのは
海を望むテラスと食堂。
天気がよくて暖かかったから、
別天地にいる気分。
あらかじめ宿の人と打合せした際に、
昼食は用意しておいてくれるとのこと。
景色に感動してるオレらに供されたのは天丼。
海老の産地らしく海老が5本!
宿名にちなんだ数なのだとか。
「五足のくつ」とは不思議な名前だが、
明治40年に北原白秋をはじめ、
吉井勇、与謝野鉄幹、木下杢太郎、平野万里の5人が、
大江天主堂のガルニエ神父に会うために旅立ち、
その道中を新聞に寄稿したときの紀行文のタイトルが、
『五足の靴』(こっちは漢字)で、
それに由来している。
これが彼らが訪ねた大江天主堂。
改築してキレイになった外観が青空に映えて、
めっちゃキレイ。
隠れキリシタンという歴史を背負った天草だけど、
現在残されている史跡を見ただけでは、
悲惨な弾圧の様子など想像できない。
「五足のくつ」はそんな土地柄をコンセプトに据え、
山間に離れが立ち並ぶ宿。
パブリックスペースには
教会やキリスト教の趣がいっぱい。
宗教的だけど決して精神的じゃなく、
いい意味でのアクセントになっている。
各室にはデザインが異なる内風呂と露天風呂があり、
どれも気持ちいいったらありゃしない!!
これは最も新しくて規模の大きいヴィッラC。
洗面台やトイレは各室2つずつ。
見方によるとバブリー。
だけど、居心地がよくて、趣味もよくて、
嫌な感じはゼロ。
部屋ごとに異なるゾウさんテーブルがあって、
かなりきてる!
ベッドはキングサイズがふたつ。
ひとりで寝るには寂しすぎるけど、
寝心地は抜群(笑)。
サインのセンスもいい!!
ここ宿の内装やサービスには、
世界中を回ってきたオーナーが、
各地でインスパイアされた感覚が反映されている。
やっぱ、ちゃんと努力したものって
きちんと表われるものなのだろう。
部屋からこの夕焼けが見られるんだから、
ロマンチック度もこの上なし。
ひとりでもそう感じるんだから、
これは本物。
さて、お待ちかねの夕食!
まずは酒肴として、
いきなりクライマックスだよ!
先附は季節の味わいがいろいろと。
先日の岩手県繋温泉とは全く違う内容で、
日本の広さ、豊かさを実感。
お造りはミズイカ、タイ、キビナゴ。
天草大王は6kgもある大型らしいけど、
味は濃く脂はさっぱりしてて、秀逸。
キビナゴの刺身ってのは南九州ならでは。
伊豆とかにもあるけど、レベルが違ってた。
地鶏のつみれの椀物。
この天草大王の美味さには感心。
茶碗蒸しには蒸しアワビがのってて
品がよく、大人の味わい。
アマダイ(グジ)のみぞれ蒸しって言うのかな?
魚自体の味わいが深くて、箸が止まらない!!
蒸し物がもう一品(どっちかはサービス)。
アコウという魚と、
豆腐を昆布の器に入れて蒸したもの。
魚もいいけど、
この場合は豆腐の美味さについ黙る。
ほかにもあったけどちょこっと割愛。
量的に多すぎず、味のバリエは豊富。
地元のものだけにこだわって、
牛肉など無理して使用してないなど、
非常に好感の持てる内容だった。
朝食は和食か洋食を選ぶシステム。
これまた、地元の美味尽くし。
器のセンスも味を引き立ててた。
眺望のいいテラス席で食事ってのも
気持ちよかった。
仕事の関係で、
お昼も結局この宿でお世話になる。
言わば、ありがちな折り詰め弁当なんだけど、
ひとつひとつの味つけが程よく、
バランスもいい。
翌日の行楽に持っていけることを考えると、
かゆいところに手が届くサービスだ。
では、他の設備もさらりとご紹介。
ヴィッラAは和洋のミックス具合が絶妙で、
かなり期待してうかがってみたら、
さらにその上を行ってたってのが正直な感想。
特に食事は、旅館にありがちな献立から脱し、
この宿らしさ、天草らしさを確立していて、
食から旅情を堪能できた。
そうそう、食事の印象としてもうひとつ、
決して豪華、華美じゃないところも気に入った。
部屋に関しては、
ちょっとやりすぎ?名感じもところどころにあるけど、
それもまた個性となっていて悪くない。
自腹じゃとても泊まれない金額だけど、
金額に十分見合う内容。
この宿は長く居てこそ、
そのよさがじわじわ染み渡っていくように感じる。
しかし、1泊4食、よく食ったもんだ。