仕事が遅くなって、何か食いたくなったとき、
決まってひとりで立ち寄りたくなる、
そんな店がだれにだってあるだろう。
自分にとってのそれは、六本木の「とも庵」
。
お惣菜で酒が飲める店だ。
ここの庵主(女将?)さんとは、
うちの近く(池尻大橋駅)にある無国籍料理店で知り合い、
宝塚歌劇団(轟悠サマ)が縁で仲良くなった。
彼女は当時、外資系金融会社に勤めていて、
歌舞伎と宝塚とKinki Kidsが好きで、
京都や銀座などで羽振りよく遊んでる感じだった。
それが、会社を辞めて店を出すという話を聞いたのが2年前。
てっきりバーをやるもんだと思ってた。
だって、彼女は酒豪で、
酒と楽しく付き合うのに長けてたから。
店を始めるに当たって彼女は突然、
京都の「プチレストランないとう」
へ押しかけ修業に。
これまで水商売の経験がないことを心配してたから、
この話を聞いたときには真剣さが伝わってきた。
が、しかし、依然として彼女の店はバーというイメージしかなかった。
そんなこんなで今年の初めにオープンしたと聞き、
ちょっと遅れ馳せで店に行ってみたらビックリ。
白木のカウンターだけの店はまるで割烹(大げさ)。
大鉢にお惣菜が盛られている様子は、
まさに京都のおばんざい屋さん。
そりゃあ、あちこちで美味い物を食ってきてるんだから、
美味い物に関する知識や経験はハンパじゃないはず。
で、料理を食べたら、ひとつひとつ心がこもってて、
気が利いていて、アイディア豊富で、またビックリ。
きちんとだしをとり、最上の食材を使い、
器にも凝って、愛情込めて一品ずつつくってるんだから、
美味いのも当然か。
そのから、仕事が遅くなった帰りに、
ちょくちょく立ち寄るようになった。
これまで何度も行ってるのに、
特別感がないせいか、
ちゃんと写真を撮ってことがなかったけど、
今日(正しくは昨日)はデジカメでしっかり記録してきた。
まずはメニューからご開帳!
まず最初に出たのは、この日のお通しの
おからとほうれん草の黒胡麻和え。
おからには刻み昆布が入ってて、何層もの味覚がわきあがってくる。
黒胡麻和えは、しゃっきりしたほうれん草に香りがいいインパクト。
大鉢料理の中から、がんもと厚揚げの煮物。
黒糖で甘みをつけたものを大根おろしと一味でピリリと。
こういうバランス感覚が彼女の優れたところ。
銚子から仕入れた干物は、いわしの開き。
実はこの日、メールで入荷案内をもらって、
これに惹かれて訪れたのだが、
期待にたがわぬ味。
ここで、生ビールから焼酎にチェンジ。
知る人ぞ知る、というか大人気の、
大分の麦焼酎「兼八」。
独特の香気にあふれた焼酎で、
今や仕入れるのは至難の業。
それがかなったのは「プチレストランないとう」の
ご主人の口利きのおかげとか。
たとえ押しかけでも、短期でも、
持つべきものは師。
ま、彼女の人徳のなせるわざかも。
続いて、千切りジャガイモの和風サラダ。
マヨネーズで和えてソースがかかってて、
胡麻が利いた味は、なるほど和風。
多くの日本人が大好きな味付けだと思う。
豚バラと大根の煮物。
ハイカラなお惣菜って感じで、焼酎にもピッタリ。
たらこの粕漬け。
伏見の造り酒屋から取り寄せた
絶品の酒粕を吟醸酒でのばし、
新鮮なたらこを漬け込んでさっと焼いたもの。
日本酒の芳香が鼻をくすぐる一品は、
ホントは日本酒に最適!
〆は、ご飯に京都のジャコを乗せてもらった。
京都の「家村」というお店から取り寄せた、
唐辛子味と実山椒の2タイプのジャコ。
両方とも繊細なジャコにしっかり味がしみてて、
これ食いたさに来てると言っても過言じゃないかも。
さらに、粕汁も!
こちらのは味噌入り。
味噌が入ってる方が、オレにはしっくりくる。
こくのある味噌汁という感じと言えばわかりやすいかな?
しかしここに来ると、なんだかほっとする。
年末の多忙な時期という砂漠の中にいて、
オアシスでようやく人心地ついた感じ。
忙しい合間に、栄養と愛情たっぷりの料理を食えたから、
また明日から頑張るぞ~!
京都の粕汁はだしと酒粕だけでつくるんだけど、