♪夜明け間近北の海は波も荒く~♪
このフレーズでタイトルがわかった人は、
きっと演歌ファンかご年配(笑)。
曲名は石川さゆり「能登半島」。
そう、その能登半島に、
単行本『日本の旅ごはん』の取材で。
16日から滞在中。
オレにとって、これが初めての能登半島。
能登輪島空港ができてから、
東京都の距離感は一気に縮まった。
便利になったのはいいけど、
近くなりすぎて旅情が沸いてこないと、
執筆者であるフードジャーナリスト・
向笠千恵子さんはおっしゃる。
この日は真冬なのに気温が高く、
確かに旅情はなかなか沸いてこない。
まずは輪島へ。
漆器と工芸の街らしく、通りや店構え、食事など、
いずれも非常に趣味がいい。
商店街の中にある中浦屋でみつけた、
銘菓「丸柚餅子(まるゆべし)」。
柚釜に餅粉を詰めて蒸したもので、
柚子の香りも高く、ほの甘くほの苦く、
まさに絶品!
宿泊先は「民宿 深三」。
イカで作った魚醤「いしる」の鍋物や魚介類など、
地の物勢ぞろいのもてなしを受ける。
器はほとんど、主人宅に代々伝わる漆。
決して豪華ではないのだが、
色彩が良く、好感度高し。
特に朝食は、それが顕著に表れていた。
また、何種類もの海藻が使われていて、
ヘルシーかつ美味。
器と海藻の演出で、
ご飯が何倍も美味しく感じられた。
拭き漆で仕上げられた内装も、
輪島らしさが感じられて好印象。
民宿ながら、高水準な宿だ。
翌朝になって、穏やかだった天気が激変!
民宿にて海を眺めつつ朝食を食べていると、
見る見る間に雪が積もっていく。
そんな雪の中、輪島の朝市へ。
すっかり観光化されていると
評判は芳しくないのだが、
朝からの雪のためか、
観光客は少なくて、
冬の朝市の原風景を見たような気がした。
寒い中、魚を手際よくさばくオバちゃん。
海藻をシャキシャキとリズムよく刻むオバちゃん。
蒸したてのお饅頭をおまけしてくれたオバちゃん。
コーヒーをお代わりしてくれたオバちゃん。
明るくてタフなオバちゃんたちが大活躍!!
輪島の朝市は天気の悪い日がおすすめかも。