桜の季節の土曜日、
ようやく取れたホテルは、
耐震偽装で有名になったAPAホテル堀川通りのみ。

もちろん、あってはならないことだけど、
おかげで花盛りにホテルが空いてるんだから、
なんと申せばよいやら……。

APA堀川の自慢は大浴場。

オレはそれが好きで何度か使ってるんだけど。

この日はいろんな用件を片付けた後、
夕方ホテルに戻って、ひとっ風呂浴びることに。

ホテルに帰るなり、浴衣に着替えて用意してたら、
とある京都の知人(熟女)から電話。



その方は昔、宮川町でも有名な芸子さんで、
芸子をやめた後は、

宮川筋でおばんざい屋さんを友達と営み、
オレはその頃に初めてお店にお邪魔して、

以後、昵懇にしていただいているという間柄。

その店は「蝶々菜斉」といって、

まさに究極のおばんざい屋さんといっていいような店だった。


初めて訪れたときから、快く温かく迎えてくれ、

ずいぶんと通わせてもらった。

その店で教えてもらったことは数知れず、

おかげでオレはある程度、京都になじむことができた。

宮川町のお茶屋さんを紹介してもらったのも、

そちらに通うようになってから。
おかげで、知り合いのお茶屋遊びに、

お相伴したりしたこともあった。

そんな素敵な店もいつの間にか店仕舞い。

自分にとってなじみと言える店がなくなったことが、
いかに大きなことだったか、後になると痛切に感じられる。

毎年観にいく「京をどり」の切符が取れるのも、

彼女のおかげ。

だから、お誘いを受けて断るわけにはいかない。


久しぶりに会うその方は、
ちょっと耳が遠くなった様子だけど、
それ以外は以前とちっとも変わりなく、

以前の通りの機関銃トーク炸裂!!

本当に楽しく懐かしい時間を過ごした。



その後、東京の仕事関係の人から電話が入り、
「京都に来てるから一緒にごはんでも」とのこと。

オレが行こうと思ってたのは、
四条花見小路、原了郭ビルの奥にある

「かぼちゃのたね」。

ここは、ひとりでメシ食うのにぴったりの、
同じく「おばんざい屋」さん。

この店を知ったのは、中村獅童氏がまだ有名になる前、
おすすめの店として雑誌で紹介してもらったのがきっかけ。


おばんざい屋さんとしては珍しく遅くまでやってるし、
元が鰻屋さんで修行したご主人だけあって、
鰻が各種あって、メニューのバリエも豊富。

ひとりで行き場のないときのオレの、

救世主のような店。

いちお、写真撮ったんだけど、
暗い場所でストロボたかないで撮影したからできはイマイチ(いや、それ以下)。
イメージダウンかもしれないけど、食ったものをご紹介。



料理は、たこの唐揚げ、筍天ぷら、菜っ葉煮、てっぱい、鯛の子煮、山菜天ぷら。
ほかにビフカツとかも食ったかな……。

写真は良くないけど、味は保障つき。

しかも、かなり安い。


夜、軽く食って飲むには超おすすめの店!!