昨夜、新年会が催された。
いや、正しくはお招きにあずかかった。
場所は「吉兆東京本店」。
船場のあの女将の妹さんがここの女将。
なんでも船場の一件があったからか、
ものすごくサービスが良くなってるとか。
足を踏み入れてみたら、
どこからともなく長唄が聞こえてくる。
さすがに料亭は粋!
女将さんにお目にかかったら、
非常に暖かい雰囲気を醸し出されていて、
「一見」でもたちどころに寛がせてしまうようなお方。
いるだけで、まさに「伝統と格式」って感じ。
この日の献立は、招いてくれた方がオーダー。
器はとびっきりの魯山人ばかり。
なんというかもう、贅沢の極み。
写真撮る気満々だったんだけど、
茶室にテーブルがしつらえられた部屋は、
和ろうそくの灯りだけという凝りようで、
ストロボたくのがはばかられたので断念。
なので、言葉でご説明。
「カニ」
四角の皿にカニ(多分ズワイ)がどっさり。
あんなに身がパンパンにつまったカニはなかなかない。
カニミソ和えが小さな蓋物に入ってて、
しょうがを添えたカニ酢もまた魅惑的。
最初から、さすが吉兆!と思わされた。
「スッポン鍋」
小鍋仕立てで、具はスッポンのほかにフカヒレも。
このフカヒレが大きくて、柔らかくて、
ほんのり甘いつゆがしみた味わいもふくよかで、
悲鳴をあげそうになった。
「胡桃と蕗の薹と土筆」
初春だから、早くも蕗の薹と土筆!
山菜特有の爽やかな苦味に、酒が進んだ。
「ヒラメの薄造り」
薄造りのほかに焼き霜や肝も。
そりゃあ立派なんだけど、ヒラメってオレにとって、
それほど魅力的な魚じゃないのかも。
「網焼き」
めいめいの炭火に、飛騨牛とネギと椎茸。
オレ的には、以前から飛騨牛こそ和牛で一番と思ってたが、
いただいてみて、その思いを新たにした。
「鶉焼き」
なんと、鶉にはフォアグラがいこんであった。
なんていう美味さ!!
「カニ雑炊」
カニの甲羅にカニミソ入りの雑炊が入って、
炭火でぐつぐつ煮たぎった状態で出てきた。
味付けのころあいが良くて、
最後の一滴まで食い尽くした。
一緒に出された漬物がまた種類豊富で感激。
「果物」
メロン、ラ・フランスは完熟で甘さたっぷり。
イチゴは酸味もきいていてサッパリ。
「菓子とお薄」
小槌型の蓋物をあけると、蒸したてのお饅頭。
お薄がまた、とんでもないほど。
あぁ、言葉では伝わらない……。
こちらは四人だったんだけど、
給仕には必ず2人以上の仲居さんがやってきて、
女将や若女将が途中で何度か顔出しに来る。
利休箸を使ってたんだけど、
一皿終わるごとに取り替えてくれるし、
おしぼりも一度使うとすぐ交換。
おれやこれや、至れり尽くせり!
それでいて緊張を強いることは微塵もない。
まさに一流のもてなしってヤツ。
帰りは総出でお見送りしてくれて、
お土産をいただき、ハイヤーで帰宅。
一緒に招かれた人に予め聞いてたんだけど、
ひとり当たり6桁はいくとか!!
なんて世界だ……。
船場吉兆はこの類の賞味期限で悪事を働いて、
名誉を失墜したんだった……。
同じ吉兆でも大違いなんだな……。
またうかがってみたいけど……。

