この日は6時45分、羽田空港発の便。


玉造温泉行きの朝の失敗を繰り返さないように、
前夜から羽田エクセル東急ホテルに投宿。

なのに、

飛行機はANAだったのに同行者はJALのカウンターに行ってて、
結局バタバタ慌ててチェックイン&搭乗。

ターミナルがふたつに分かれちゃってから、
こういう面倒がたびたび起こるんだよ……。


熊本空港からバスを乗り継いで、

高千穂に着いたのは12時。

すげぇ長旅。


高千穂のイメージは天孫降臨の地、神話の里。
深閑とした雰囲気を想像してたんだけど、
高千穂バスターミナルに着いてみると、
昭和の終わりに発展したまま時間が止まってるよう。

なんだか侘しい。


この日の宿「神仙」まで歩いていると、
「神楽」をモチーフにした像がやたら目に付く。


ほかにも目立ってたのは、

東国原知事が写った観光ポスター。
さすが支持率90%超。
いったいいつまで続くんだろう……。

げんなりしながら「神仙」に到着。



すると、手入れの行き届いた庭やしつらえに迎えられ、
「鄙には稀」「桃源郷」という感興(褒めすぎ?)


涼やかなお付き菓子(水羊羹)に和んでたら、
一転にわかに掻き曇り、

ゴロゴロ・ピカピカから、あっという間に土砂降り。

日本庭園と雨、いい組み合わせだ。


さて、部屋はお決まりの露天風呂付き。




アメニティなんかををチェックしてたら、
一通りそろっている上、常備薬も充実。


これはなかなかのもの!

のんびりした後は夕食。

いつもの通り、登場順に。

季節の地のものとごま豆腐(ちょっと硬め)。
中でも印象的だったのがからすみ。
台湾産のものらしいが、しっとり感が残ってて絶品!


おだしの味加減は京都の割烹レベル。
冬瓜はもとより、地鶏のつくねとどんこ椎茸の調和もいい。
お造りは虹鱒と日向灘のタイ。
山にこだわらず、美味いものが仕入れられたら、
海のものも積極的に使っていく方針だとか。
だから、旅館料理でありながら日替わりだったりするとか。


かなり本格的な和食だったから、

久しぶりに冷酒をいただく。

食事は炉辺の席だったから、
生のヤマメを炭の上に乗せじっくり焼かれていた。
焼き立てをほおばると、

ふんわり淡白な味わいが広がった。



牛は「高千穂牛」。

末は「松坂牛」になる牛の一種。
松坂牛ってのは、

各地のすぐれた仔牛を成牛に飼育したもので、
実はいろんな土地から集まったもの。
ある意味、ブランド商売が上手だったってこと。

高千穂牛も宮崎名物のどんこ椎茸も

見事なもの!
だけど、タレとして用意されていた、

いわゆる焼肉のタレとポン酢が
ちょっと味が濃すぎて、

素材の味が生かされない。

塩をお願いしたら、岩塩を出してくれた。

その塩で食ったらバッチリ!!
今後は岩塩とカボスでいただくようにした方が

いいのでは?(老婆心ながら)



順に、芋茎(ずいき)をのせたゴマダレ冷やし中華風。
すりおろした山芋でつくった茶碗蒸し風。
揚げ茄子の味噌田楽。
ラズベリーソースのブラマンジェ(だっけ?)。

どれも一工夫してあって、味も量も上品。
板場のスタッフは若い人たちだと聞いたけど、
本当にいい仕事をしていると感じた。

給仕の女性スタッフも気が利いていて、
料理の出るタイミングもいい。
正直、期待以上の夕食だった。

これは新発売の焼酎「東国原」!

知事ブームはこんなところまで!!

いただいてみたら、

けっこう美味かったけど。


夕食後、ご主人に誘われて地元の飲み屋「こすもす」へ。
その目的は、これをオレらに食わせるため。


スズメバチだよ!!

地元では昔から蛋白源として、

滋養強壮剤として、
熊蜂を食ってきたんだとか。

信州で食った地蜂は美味かったけど、

これは……。


焼酎で流し込んでも、

やっぱり……。


成虫(下)はフライにしてあったからまだ食えたけど、
幼虫はクセが強くて……。

「高級品だ」「スタミナがつく」と言われても、
地元の希少なたんぱく源だったとわかっていても
いっこうに箸が進まなかった。

すみません。


ほうほうの体で宿に帰ったら、
部屋には蒸し芋とおにぎりが置かれていた。

なんだかほっとする。

ひとっ風呂浴びてから、完食して、

ようやく長い一日も終了。


翌朝の目覚めは、思いっきりスッキリ。
昨夜は日本酒やら焼酎やら飲んだんだけど、
二日酔いも疲れもなし。

スズメバチのおかげ?


朝食も炉辺を利用。

こういう酒肴は話が弾んでいい。



高千穂も多分にもれず、

観光斜陽化の真っ只中。


それでも、これだけいい宿があれば、

まだまだ大丈夫!


連泊したいと思う宿だった。