先週、東宝劇場で宝塚雪組公演「エリザベート」を鑑賞。

いろいろと考えることの多い公演だったので、
千秋楽の今日、感想をアップすることにしました。

宝塚大劇場の初日後間もなく観た時には、
水夏希のトップお披露目公演で、
苦手な歌が中心の役・トートをやることになって、
楽しみと不安が半々の状態だった。

それが、あの、水夏希がしっかり堂々と歌えてるし、
相手役・白羽ゆりも凛とした存在感を見せ、
出演者はもとより客席にも緊張感が満ちていて、
非常に充実したものを感じた。



それから公演を重ねてきて、
どんな風に変わっているのかと楽しみにしていたら、
見事に期待を裏切ってくれた。



2度目だから落ち着いて観ることができ、
前回の印象が残っているからどうしても比べてしまう。
また、何度も観てきた演目だから、
歌も台詞も振りも、だいたい覚えている。
そんなことから、欠点ばかりが目に付いて、
全体的な感動は前回と雲泥の差。


幕開きに登場するルキーニの動きや表情に
余計なもの、無駄なもの、消化できてないものが
多々あって、まず鼻白んでしまう。

扉から登場してきたシシィは、
なんだかバランスが悪くて、
カエルが飛び出してきたのかと思った。

ルキーニはその後、チラチラと輝くものを見せ、
だんだんと欠点を凌駕していったが、
シシィは点数を下げる一方。

場面ごとに観ると及第点なんだけど、
通してみると一人の人間とは絶対思えない。

とくに「シシィの居室」の場面のトートに対する
ヒステリックな演技にはあきれてしまった。

「病院」の歌の最後、
音を上げるところで目は中空をまっすぐ見てるけど、
そこでいきなり毅然としてどうするんだ!


演技力に問題があるシシィの場合、
音を上げるのは絶対やめたほうがいい。

さらに、ルドルフの棺の前でただの独りよがり。

最後に昇天するところではじけた笑顔を見せるが、
そのシーンのみ見事!

思うに、いろんな人からアドバイスをもらいすぎて、
整理がつかないままやってるんじゃないかな?
だから、最後に縛りから解き放たれて、
ようやくシシィになれたんじゃないかな?

これだけダメだしするのは、
それだけ期待していたから。
演出家はちゃんと指導したのか?


いい意味で目立ってた人もあげなきゃね。

筆頭は水夏希。
前回よりも余裕が出て、完全に独り立ち。
(相手役が空回りしてるから尚更)


ひとつひとつのシーンを丁寧に演じていて、
歌も彼女のできる精一杯の成果を挙げていた。
ものすごく真面目な努力家なんだろうな。


いつも女官の先頭にいた人(舞咲りん?)。
お腹の前で手を組んで腕ごと上下させるっていう
簡単な振り付けがあるんだけど、
先頭の彼女はきびきびとメリハリが利いてて、
腕を上げたときに袖のレースがくるりと腕に巻きつくの。
ほかの女官も同じようにそろってたらよかったのに……。


エルマーの彩那音。
長めのをオールバックにした姿が刹那的に見えて、
革命に身を投じようとした貴族らしさもあった。
というか、見た目が好き。


ヘレネの涼花りさ。
クラシックな雰囲気が役にぴったり。
台詞に対する反応もよくて、
ついつい彼女の演技に目が行ったもん。


ゾフィー様は余裕しゃくしゃくなんだけど、
もう少し力が抜けてもいい。
威厳というよりイケズが勝ってるところがあったもん。
とは言え、ゾフィーとしては最高!


フランツはトートの対立軸にいるわけで、
すべてにわたって辛抱役。
淡々とした中にも強弱のメリハリがあって、
立派な皇帝陛下だった。



通常は芯にいる人たちにしか目が行かないんだけど、
脇の人に目が行ったということは、
いかに芯から目を背けていたかということの証明かな。


しかし、エリザベートもこれだけ再演が続くと、
比較して観られてしまうから、演者は大変だろうな。


順番からすると、次は星組?