ドラマ⑧
山室「痛ってぇ…どこここ?」
意識が戻った楓
山室「…誰か開けてください!助けてください!」
楓はあの棺桶の中に閉じ込められてしまった
何度叩いても蓋は開かない
熊川「ようやく目を覚ましたか」
山室「…熊川さん!?」
あの懐中電灯を降り殴ったのは熊川利也だった
山室「…どういうこと?…なんでこんなことするんですか!」
熊川「言っただろ。女の怨念の呪いをもう一度封印するんだ。悪いが君にはそのための生贄となってもらう」
山室「生贄…冗談でしょ?」
熊川「本気さ。あの女の怨念を封じるには若い女の子の命が必要なんだ。…仲間を助けたいんだろう?心配するな。俺がきちんと終わらせてやる。アハハハハ…アッハハハハハハハハハハハハ…」
山室「…助けて!誰か開けて!ここから出して!」
熊川「無駄だよ。その棺桶は100年の間、朽ちることなくあの村に残っていたんだから」
山室「もしかして…生きたまま埋められた…?」
ザンビ「ア"ァ"ァ"ゥ"ゥ"…」
甲斐「実乃梨!しっかりおさえて!」
諸積「おさえてるよ!」
甲斐「…無理だ!」
(ドア破壊)
ザンビ「ウ"ガ"ア"ァ"ァ"ゥ"ゥ"……!」
2人はすぐさま教室の外へ。足でも滑らせたらほぼ大怪我につながる高さへと逃げた。
襲われないようにするため、慎重に壁をつたって逃げる
甲斐「…実乃梨ってさ…結構胸あるんだね」
諸積「何言ってんの?こういう時に」
甲斐「だって、ずっとここにいたら頭おかしくなりそうだったんだもん!」
諸積「大丈夫よ…」
(ドアが開く)
2人「!!!」
花村「ミィツケター」
窓を開けてきたのは既にザンビになった花村穂花だ
諸積「キャー!」
(窓を閉める)
花村「ウ"ッ"!」
諸積「ハァ…ハァ…」
花村「…ヒドイナー。トモダチニコンナコトスルナンンテ」
諸積「ハァ…ハァ…」
花村「ソンナカオシナイデ。ワタシタチトモダチデショ?」
諸積「ハァ…ハァ…」
花村「ガ"ァ"ァ"ゥ"ゥ…!!」
諸積「これでも喰らえー!」
(プシュ〜『スプレー』)
花村「…ウッ…ウワアアアアアアアアアア!!!」
甲斐「落ちちゃって死んじゃった?」
諸積「わからない…」
甲斐「……あーっ!」
諸積「何?」
甲斐「大事な事…言い忘れてた…」
諸積「え!?」
甲斐「実は私…高所恐怖症なのぉ!」
諸積「…早く行くよ」
熊川「……人間にとってプリミティブな感情とはなんだろう。怒り…恐れ…悲しみ…違う。それらは本能的な反応にしか見えない」
山室「え…」
熊川「旧約聖書創生第4章。カインとアベルだよ。君もこの学園の生徒なら聖書を読んだことあるだろう。かつて、カインとアべルは神に捧げ物をした。神とアベルは捧げ物に目を止め、カインは無視した。それがもとでカインは弟・アベルをその手にかけ、殺した。人間が犯した最初の罪だ。そう、きっとジェラシーだよ。嫉妬こそが、もっとも人間の純粋なプリミティブな感情だよ」
山室「だからなんなのよ…!」
熊川「この呪いの始まりだよ」
山室「え…」
熊川「昔々、山深きの地主の元に1人の女が嫁いできた。女は若く、ひだてもよく、大変美しかった。地主は女をたいそう愛した。しかし、それを妬んだ村の女達が断るごとにある噂を流し、女を憎み貶めようとした。そして、とうとう…」
〜100年前〜
村人「手間かけやがって!このやろー!」
美しい女「何するんだい!坊やを返してくれや!」
村人「おりゃあ!やったれおめえら!」
(鎌など、くわなど振り下ろす)
美しい女「もうやめてくれや!何もしてないのに…!」
村人「おらあー!おらあー!」
美しい女の夫「おめえらもっとやってしまえ!」
美しい女「何にもやましいことなんかやってねえやんけ!」
美しい女の夫「何変なこと言ってるんだクソ娘が!お前が村人の男たち俺の噂を流した。そんなことを俺が知らねえと思ってたのか!」
美しい女「誤解だべ!」
美しい女の夫「こんな坊やなんかどうでもいい。お前らもっとやってしまえ!」
美しい女「信じてくれやで!」
村人「おらああ!ごらぁー!」
村人1「よし、こいつは死んだぞ。お前足持て」
村人2「はい」
村人1「ほんじゃ最後の忘れ物w坊や入れとくからw」
美しい女の夫「棺桶入れたらそのまま埋めちまえ。逃げれねえようにな」
美しい女「開けてくれや!なんで開けてくれないんや!」
美しい女は生きたまま村人によって生き埋めにされたしまった。
この女が数年後にザンビとして蘇り、村人を喰い殺していったのだ
…………………………
山室「そんな…私が封印を解いてしまったなんて…」
熊川「安心しろ。すぐに終わらせてやる。お前らが封印を解いたせいで、俺の娘はザンビになってしまった!娘を取り戻すには生贄を捧げるしかないんだ!アッハハハハハハハハハハハハww」
諸積「ダメだ。違うところから行こう」
甲斐「なんで?」
諸積「いいから!」
甲斐「………」
諸積「聖見ちゃダメ!」
甲斐「はっ!?」
見てしまったのは生徒が自殺したであろう姿だった。血がたくさん溢れ出している
諸積「ザンビで…耐えられなかったんだよ…」
甲斐「…いや…いや…いやああああああ!!!」
諸積「聖!」
熊川「ネムッテオラレルカ…シンデオラレルカ…」
すると棺桶の前へ
熊川「ついにお前を生贄に捧げる時が来た。お前を生贄に送ればザンビは封印できる」
山室「やめて…熊川さん!正気に戻って!」
熊川「やだね。ヘッ。このでかい棒でお前を生贄に送る。それではさらばだ。おりゃあー!!!」
諸積「聖?聖ー!」
山室「助けてー!誰か助けてー!」
諸積「楓の声だ…」
逃げた聖を探しているとボイラー室から楓の声が聞こえる
諸積「…楓…いるの?楓?」
山室「実乃梨だ!実乃梨助けてー!」
諸積「今助ける!」
しかし…後ろから熊川利也がノコギリを持ってやってきた
熊川「おらああああ!!」
諸積「危ないっ!」
山室「どうしたの?」
諸積「熊川さん…!?楓に何する気!」
熊川「お前の知ったことが!おらあああああ!!」
諸積「(避ける)」
熊川「おらああああああ!!」
諸積「(避ける)…」
(諸積:物投げる)
熊川「痛って…ハァ…ハァ…」
諸積「今開けるからね!」
山室「お願い!」
諸積「…楓!早く出て!」
山室「ありがとう!」
熊川「誰が行かせるか!呪いを封じるにはこれしかねえんだ!ちょうどいい、お前も生贄にしてやるよ」
山室「ダメ…後ろ…!」
熊川「あ?そんなくだらねえ手に引っかかるわけねえだろ!」
古橋先生「グ"ア"ァ"ァ"ァ"…!!!」
熊川「ウ"ッ"!ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"!!!」
山室「キャー!足を離せー!」
熊川「ニガサンゾ…コウナッタライッショニ…!!」
古橋先生「ガ"ァ"ァ"ゥ"ゥ"…!」
熊川「ウワアアア!!」
諸積「楓!逃げるよ!」
山室「ありがとう。助けてくれて」
諸積「大丈夫」
山室「あ、そうだ。聖は?」
諸積「突然取り乱して逃げ出して…」
山室「…全部私のせいだ。みんながこんなことになった、ザンビを蘇らせた。あの日、残美村で封印を解いたのは私だった。私がすべてのきっかけなのよ!」
諸積「楓…そんなこと言わないでよ…」
倉田「今の話は本当?」
2人「!!!」
倉田「教えて。今の話は本当なの」
熊川は封印を再び封じるために楓を棺桶に入れた。実乃梨によって棺桶を開けてもらい見事抜け出した。熊川は一緒にいた実乃梨も生贄にしようとする。
たまたまボイラー室にいたザンビになった先生が熊川を襲ってくれたおかげで生贄にならずに済んだ…
私たちがいなくなるまで残り2時間
…………………………………
ドラマは後2話で完結!
お楽しみ!