図書館でザンビについて知った楓は真夜中にテストに向けた勉強をしていた。
机の上に置いてある額縁の写真はフリージア学園に入学した楓と亜須未の写真。
楓はその写真を思い返す
山室「もう亜須未は…ザンビになっちゃった…もうどうすることもできないのか…」
しかし、ずっと眺めていると
山室「キャっ!」
ザンビになった顔が見えた
みた瞬間に楓は額縁を投げ捨てた
山室「もう怖い…!なんで写真まで…」
割れた額縁は割れてしまい、使えなくなった
(カーン…カーン…カーン…『鐘の音』)
西条「何作るんだっけ?」
先川「おろしハンバーグだよ」
西条「あ〜!あの大根おろしのハンバーグね?」
先川「そうそう!これ班全員が作るの」
西条「…あっ、楓!今日は調理実習だね!」
山室「(なんで…なんで…ザンビじゃないの!?)」
楓は調理実習のために家庭科室を訪れると普通の亜須未がいた。
なぜザンビじゃないのか、疑問を持ちながら自分たちの席に着く
諸積「ここだよ楓の席」
山室「ここか!実乃梨ちゃんと一緒だといいよね!」
諸積「そんなことないよ〜w」
諸積「あのさ、前々から思ってたんだけど、なんか亜須未との仲悪くない?喧嘩でもしたの?」
山室「別に…してないけど…」
諸積「え、大根おろすのうまくない?」
山室「え、そう?」
そのあとも大根をおろし続けたがやはり亜須未のことが気になる。ここまで気にしないでやってきたが気になった。
山室「なんで真顔でやってるんだろう…」
亜須未の方を見ると怖そうな顔で無心におろしていた
山室「見るのやめよう…」
しかし、亜須未は楓の方を見始めた
亜須未はずっと楓を見てくる
山室「なんか嫌な気配する…」
何かの気配を察知した楓は亜須未の方を見る
山室「えっ!…血、血!亜須未、血が…!」
大根おろしに血がついた
山室「もうどういうこと…血が入ってるし…自殺したはずなのに生きてるって…」
諸積「どうしたの?楓」
山室「亜須未が…亜須未が…!!」
西条「私がどうかしたの?」
山室「キャー!」
西条「私がどうかした?」
山室「来るな…来るな…来るなあああ!!!」
亜須未の目の奥に何かが見えた。それはザンビの目かもしれない…
逃げ出した楓は屋上へ
諸積「亜須未と何かあったの?」
心配して来た実乃梨が話しかけて来た
諸積「最近の楓、変だよ?」
山室「……私、見たの…」
諸積「見た?」
山室「呪いだよ…私たちがザンビを解いたんだよ…!」
諸積「急に呪いって…」
甲斐「私は、信じるよ…」
諸積「聖…」
甲斐「残美村から帰ってきてからずっと変な夢みてたの…」
諸積「残美村?」
甲斐「間違いないよ…この学園で何かが起こってる!」
諸積「ちょっと待ってよ…2人ともどうかしたんじゃないの?」
(メール)
山室「亜須未から…メールきた。『部屋に来て』だって…
諸積「とりあえず、亜須未と話してみたほうがいいよ」
メールで亜須未に呼ばれた楓は亜須未の部屋へ
山室「…亜須未?亜須未?いるんでしょ?もう開けるよ?」
ドアを開くと亜須未の姿はなかった
しかし、不思議なものを見つけた
山室「パソコン?」
パソコンを見ると『話がある。部屋まで来て』と書かれた文字が大量に書かれている
(カタ…カタ…カタ…『小型風車の音』)
山室「えっ?」
また小型風車が回り始めた…
山室 「亜須未が実家に帰ったってどういうことですか?先生」
古橋先生「お母様の具合が悪いんですって。それで様子を見て帰ってるらしいの」
山室「嘘です。だって服もカバンも持たずに出かけるなんて」
古橋先生「嘘。私は嘘をついているってこと?」
山室「いえ、そういうことでは…とにかく亜須未は普通じゃないんです。早く探し出さないと!…」
古橋先生「私はあなたのことが心配だわ。それになんだかとても落ち着きがないようだし…よかったら今晩来なさい。そこでいっぱい話を聞いてあげるわ」
山室「…失礼します」
甲斐「楓、何聴いてるの?」
山室「スピッツの『楓』。聴いてみる?」
甲斐「うん!」
山室「これ、お父さんが好きな曲なんだ。お父さんからオススメでさ」
山室「…そういえばさ。もう一枚変な写真撮ったって言ってたけど…」
甲斐「たまたま映ってたの」
甲斐「うちのクラスの子だと思うけど…」
山室「……」
甲斐「残美村」
山室「えっ?」
甲斐「ザンビがもう1人いるとするならば、あの日、村に行ったメンバーの誰かだよ…」
金村「鈴音さ〜んwそろそろ返事、聞かせてもらいたいんだけどw」
佐倉「いや…その…」
木内「…なんだその顔!」
関「何が気に入られねえんだ!」
金村「…本当は、私達の仲間になりたいんでしょ?wだったらやる事わかってるわよね?」
山室「………」
廊下を歩く楓
山室「ん?」
金村優衣の部屋から謎な音が。
見てみると…
山室「誰?」
中には謎な動きをしている生徒
山室「なんだ…鈴音か。こんなところで何してるの?」
佐倉「片付けだよ、片付け」
山室「だけどここ、優衣の部屋だよ?」
佐倉「ついでだからよ!で、優衣になんか用?」
山室「別に。通りかかっただけ」
佐倉「そうなんだ」
山室「…何これ…」
佐倉「どうかした?」
山室「髪…の毛…」
甲斐「えっ?優衣が…?」
山室「おそらく。…もしあの時、優衣が呪いにかかっていたら…」
甲斐「私も!いろいろ調べてみてわかったことがあるの…」
山室「教えて」
甲斐「今から100年以上前に村人が生ける屍(しかばね)となって殺し合う村があって…」
山室「その村って…」
甲斐「あの残美村!」
山室「やっぱり…」
古橋先生「…待ってたわ」
山室「話ってなんですか?」
古橋先生「悩みでもあるんなら、なんでも打ち明けて欲しいの」
山室「どうしてそんな事…聞くんですか?」
古橋先生「だって今のあなた、昔の私と同じだから。なんでも1人で抱え込んで苦しんで。分かるの。私も小さい頃、両親を亡くして、それで…」
山室「同じじゃありません。先生と私は」
古橋先生「だったらそれでいい。もっと私を頼ってくれないかな」
山室「…失礼します」
山室「優衣…何見てるんだ?」
楓は何かを見る金村優衣を見つけた
山室「ここが…優衣が見てた場所…ん?」
同じ場所に来た楓
山室「…爪?」
そこには西条亜須未が剥がしていた爪が落ちていた
山室「ちょっと優衣について行ってみよう」
優衣をついていく事に
山室「…自分の部屋の前で…何してるんだ?」
(着信音)
山室「あ、聖から電話…」
甲斐「楓!?楓!?優衣の事なんだけど…」
山室「今は手話せないの…」
甲斐「切られた…」
山室「優衣は?」
見てみると優衣の姿はなかった
金村「私達の仲間になりたい?」
佐倉「………」
金村「どうして黙ってんの?…なりたいんでしょ?私達みたいに」
佐倉「わ、私は…!」
金村「だったら仲間に入れてあげる」
山室「鈴音!優衣から離れて!早く!」
佐倉「うん…」
山室「そいつは優衣なんかじゃない!優衣の姿をした化け物よ!」
金村「はぁ?w何言ってんの?」
山室「優衣もあの村で呪いにかかった!」
金村「楓、あんた頭おかしいんじゃないの?w」
山室「優衣もザンビになったのよ!」
金村「ザンビ?w」
本多「ザンビ?www」
山室「いいから早く離れて!私達に近づかないで!」
金村「いい加減にしてくれる?人の事を化け物扱いにして」
諸積「なんの騒ぎ?」
山室「優衣は鈴音に何かしようとしてた!優衣は私達を殺そうとしたのよ!」
金村「鈴音が入りたいっていうから、心構えを教えてあげただけよ?」
山室「みんな騙されないで!」
(カシャッ…『写真撮る音』)
金村「何勝手に人の事を撮ってるのよ!聞いてるの?」
甲斐「楓…見て」
山室「…なんで…」
甲斐「優衣はザンビじゃない!さっき、その事を伝えようとしたら電話切っちゃったから…」
金村「あなたは一度、医者にでも見てもらったら?w」
山室「私馬鹿だ…1人で騒いで…」
諸積「だね。でも嫌いじゃないよ。そういうの」
山室「えっ?」
諸積「楓ってさ、いつもクールで、正直何言ってんだよって思った。でもさっきのアレ、ちょっと安心した。気にする事ないって!優衣だっていつかは忘れるよ!ね!」
山室「うん!」
山室「なんかごめん、鈴音。私のせいでややこしくなっちゃって」
佐倉「大丈夫だよ!私の事、気にしないでいいよ。今紅茶入れるからね」
しかしこの後、佐倉鈴音の様子がおかしくなる…
甲斐「これ一枚だけじゃないの!亜須未のを撮ったけど全部ザンビ…」
諸積「ていう事は楓が言ってた事はあってるんだね…」
甲斐「うん…後もう一枚!鈴音をたまたま撮ったんだけど…」
諸積「ちょっと待って!この子が持ってるスマホって鈴音の?」
甲斐「うん…」
佐倉「ふふーんふふーん…ふふーんふふーん…」
山室「お、お湯が!」
ポットで注いでいるお湯が溢れ出し、鈴音の足にこぼれ落ちた。
しかし、鈴音は鼻歌を歌っている。普通であれば熱いと感じるはずなのに。
佐倉「ネムッテオラレルカ…シンデオラレルカ…」
山室「お湯熱くないのか!?」
佐倉「ゼンゼン。アツクナイヨ」
山室「鈴音?あなた…」
佐倉「ナニ?コウチャ、キライダッタ?」
諸積「楓!」
佐倉「チッ…コウチャ、キライダッタ?」
甲斐「待って…」
佐倉「…ウ"ッ"!ァ"ァ"ァ"ウ"ガ"ァ"ァ"!ウ"ワ"ア"ッ"ッ!」
山室「あの時…鈴音の髪の毛だったんだ…」
佐倉「ウ"ゥ"ゥ"ァ"ァ"!!…オマエラヲザンビニシテヤル…!」
佐倉鈴音はいつの間にかザンビになってしまった。
佐倉「ウ"ア"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"!」
甲斐「楓!」
佐倉「ウ"ァ"ァ"ァ"!」
諸積「やめろー!」
佐倉「オマエハジャマダ!ザンビニナレ!」
諸積「キャっ!痛い痛い!」
佐倉「オマエモザンビニシテオソッテヤル…ウ"ァ"ゥ"ゥ…!」
山室「ハァ…ハァ…キャー!」
佐倉「ウ"ァ"ォ"ゥ"ァ"…」
(カーン…カーン…カーン…『鐘の音』)
佐倉「………」
山室「え?」
諸積「楓、早く!」
甲斐「逃げて!」
ザンビは鐘の音がなると、鐘の方へ集まっていく生態を持つ
3人「ハァ…ハァ…」
古橋先生「3人ともどうしたの?お祈りの時間よ?」
山室「鈴音が!鈴音が!」
古橋先生「佐倉さんがどうかしたの?」
諸積「なんで…鈴音がいないの…?」
後ろを振り向くと鈴音の姿がなくなっていた
山室「自殺!?」
窓を見ても鈴音の姿がない
山室「一体、どうなっているんだ…」