霊感女性が体験した怖い話・13『出現する生霊』 |  ライター稼業オフレコトーク

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アイドル記者を皮切りに、心霊関連、医療関連、サプリ関連、
コスメ関連、学校関連、アダルト関連、体験取材など様々な
分野の取材執筆をしてきました。
ここでは当時の面白かった話や貴重な情報、取材で思ったこと、
記事にできなかった裏話などを披露していきます。

OL時代:

【唯一、霊に殺されかけた体験】

 

 私は霊感体質ではありますが、霊能力者ではありません。そのため霊を瞬間的に見たり、不思議な体験をしたりすることはありますが、誰かに憑いている霊をじっくり見るということはありません。でも、一度だけ生々しい姿を見せられ、直接危害を加えられたことがあります。

 

 20代前半のOL時代のことです。当時、ナンパされて付き合っていた彼氏がいました。そこそこイケメンで、性格は少々チャラかったんですが、会話が上手く友だちも多い人気者でした。そういうタイプなので女友だちも多く、モテていたと思います。直接聞いたわけではありませんが、真剣に付き合った彼女が数人いたそうです。

 

 彼と結ばれたのは付き合って一カ月後。遊ばれるのは嫌だったのですが、半ば強引に押し切られる形で関係を持ってしまいました。

 その日、外でのデートは違和感なく楽しく過ごせたのですが、ホテルに入ったときのことです。ベッドインの前、緊張する私をキスでほぐしながら優しく抱きしめてくれる彼。さすが手慣れてるなと感じました。

 そして、ベッドに横たわる私に覆いかぶさってきました。そのときです……

「!」

 何か黒いモヤみたいなものが彼の背後に見えたのです。

「待って!」

 慌てて彼を押しのけ上半身を起こしました。

「どうしたの?」

 あたりを見渡す私を見て彼は不思議がっていました。

「ううん、なんでもない」

 確かに一瞬黒いモヤが見えたのです。でも、どこを探しても今はそれが見当たりません。最初に思ったのはホテルのこの部屋に居つく地縛霊でした。ラブホは男女のいろんな思惑や情念が交わるところです。なんらかの霊がいたとしてもおかしくはなく、私がそれを感じることも不思議ではありません。

 幸いにして、その日はそれ以上の変な現象は起きませんでした。ただし、このホテルは二度と来たくないと思ったものです。

 

 それからしばらくして、あの黒いモヤはホテルの地縛霊でないことがわかりました。なぜなら別のホテルで二度目の関係を持ったときにまた現れたからです。同じように彼の背後に……。

 この人に何か憑いてるんだ。そう確信しました。以前、仲間たちと廃屋探検をしたと言っていたので、そのときにもらってきたのかもしれません。他の人には見えなくても、霊感体質の私だから見えたのでしょう。

 前回と違っていたのは、薄いモヤが少しハッキリしていたことでした。こんな憑き物を持った彼に抱かれるのは嫌だなと思いましたが、そのうち消えてくれることを願いお付き合いは続いたのですが……。

 

 彼の部屋で抱かれていたときです。その日の彼はいつもより激しく攻め立ててきました。彼はホテルより自室の方が興奮するタイプなのでしょうか。でも、いくらなんでもやり過ぎと思ったのは正常位の最中に彼が首を絞めてきたときです。

 

 

「な、何するの……。苦しいよ」

「こうするとあそこが凄く締まって気持ちいいんだ」

「息できなくなっちゃう……」

「もうちょっとだけ頼む」

 彼は力を少し弱め、それでも絞め続けてきました。でも、またすぐに力が入ってきます。

「苦しい……」

 薄目で彼を見たときでした。

「!」

 いつも見えるモヤが、女の顔になっていたのです。その表情は憎悪そのもの。私を怖い目で睨み続けています。

(やめて……)

 そう声を出したかったのですが、首を強く絞められていたため出せませんでした。このままでは殺される……。私は激しく抵抗したのですが、興奮した彼にはそれが伝わりません。それとも女の霊に操られていたのでしょうか。

 そのうち意識がどんどん薄れていくのを感じました。その薄い意識の中でも、女の憎悪に満ちた顔はハッキリと見て取れました。

(あ、死ぬんだ私……)

 

 

「美由紀! 美由紀!」

 彼の呼ぶ声で意識を取り戻しました。

「ごめん、ちょっと興奮しすぎちゃったよ。いつもはちゃんとセーブできるのに……変なの。それにしても失神するほどおまえも気持ち良かったとはね。ハハハ!」

 私としては笑い事じゃありません。

「ふざけんじゃないわよ!」

 服を着てすぐに部屋を飛び出しました。

 

 その日を境に彼とは絶縁しました。首を絞められて失神させられたからではありません。彼の背後に取り憑いていたものがヤバすぎたからです。

 のちに彼の友人から聞いた話でわかったのですが、元カノの中には未だ彼に未練を持っている子がいたとのこと。つまり、あのモヤは元カノの生霊だったのです。元カノも同棲していたという彼の部屋で行為を行ったことで、あの日はモヤではなくハッキリとした怒りの姿で私の前に現れたのです。そして、彼が首を絞めるという性癖を利用して、彼の理性を失わせることで暴走させ、私の首を強く絞めさせたのでした。そう……元カノの生霊が、彼を使って私を殺そうとしたのです。

 

 

 まさか別れた女の嫉妬が生霊になって男に取り憑くとは……。おそらく彼は一生結婚できないかもしれませんね。

 セックスは男女が一つに繋がる特別な行為です。そういうときこそ嫉妬の生霊は出現しやすいのだと思います。もし、パートナーにいつもと違う異状を感じたら、過去を探ってみてもいいのではないでしょうか。

 

≪お知らせ≫

過去の『霊感女性が体験した怖い話』と『心霊ライターが取材した霊の話』がYouTube動画で観られます。時間のある方は是非!

心霊ライターが見た聞いた『不思議で怖い話』 - YouTube