昔の編集仲間で異業種に転職した者が多くいる。そのうちの一人で、60歳の定年を機に介護士になった元女性編集長Mさんがいる。全く違う世界へ、デスクワークから肉体労働への転職に多くの仲間が驚いたものだ。元々人間的に優れた人なので、悩みながらも10年間勤務を続け、施設の経営会社からは評価され、施設入居者からも評判がいいという。
そのMさんから、広報関係の依頼を頼まれ5年ぶりに打ち合わせのために再会した。現在70歳の現役介護士なので、傍目には老老介護みたいに思えるが、仕事に生きがいがあるせいかとても若々しい。今では地位がかなり上がっていて、そこそこの高給取りとなり、夏のボーナスは70万だと言っていた。そのため年金を減らされたと怒っていたが、一般の高齢者からすれば羨ましい限りの贅沢な話だ。
そのMさんから聞いた話だが、男性の入居者は態度の悪い者が多いらしく怒りまくっていた。とくに威張ったり自分勝手が過ぎるそうだ。何度注意されても仲間との宴会をやめなかったり、介護士を私用でこき使おうとする。入浴での介護では性器を洗わせることを楽しんでいる始末。
どうやら高い入居料を払っているものだから、自分はお客様だと勘違いしているのだ。介護をしてもらっているという自覚がないので感謝さえしないという。すべての男性入居者がそうではないのだが、どうしてもそういう輩が多いらしい。
その点、女性入居者はマナーが良いそうだ。常に感謝の気持ちを忘れないという。しっかりしろよ、爺さん達よぉ。
こんな男どもがいるから、介護士の離職率も激しくなるのだろう。そして、海外からの労働者に頼らざるを得なくなる。
ご多分に漏れずMさんの所にも外国人が数人いる。その中の一人でベトナム人の女の子は毎日真面目に働いているという。必死に言葉を覚えながら日々奮闘する姿に感動し、娘のように可愛がっているそうだ。正確には孫の年になるのだが…。
Mさんは嘆いていた。このような真面目に働くベトナム人がいる一方で、近年多発している技能実習生や留学生による在留ベトナム人の犯罪を。彼女までイメージが悪くなることを恐れていた。
Mさんは言う…「罪を犯すのは最低限の言葉さえ覚えることができない者ばかり。これは政府が悪い。ただ受け入れるだけではなく、まずは言葉を覚えさせるようなシステムを作らなければいけなかった」と。
確かにその通りだ。凶悪集団として知られるチャイニーズドラゴンは中国残留日本人の2世らを中心としており、そのほとんどが言葉の壁から不良化していったものだ。その同じような過ちをまた繰り返そうとしている。嘆かわしいほどの国の無策ぶりだ。
外国人労働者への適切な対応と介護士の離職率を下げるための対策…これは危急の課題だ。
[編集後記]
亡き親父も介護施設に体験入居した際、入浴で女性介護士に思いがけずおちんちんを洗われときに一瞬勃起したという。親父は真面目で優しい人柄だった。しかも高齢にもかかわらずこうなってしまうのは男の悲しい性(さが)。