つい最近の男性週刊誌では、やたらと『飲んではいけない薬』の特集をやっていた。薬なんて「毒を以て毒を制す」と言われるほど、元々が毒薬なのだから、飲まないに越したことがない。それでも仕方なく我々は多少なりとも薬に頼らざるを得ない。
まぁ、そこは百歩譲るとしても、一番納得がいかないのは大量の薬を処方されることだ。Aの薬を飲むと胃が荒れるので、それを抑えるためにBの薬を出すなどと、もっともな理由で薬がどんどん追加されていく。
このような薬を大量に出したがる現状を、某週刊誌では「医者と製薬会社が癒着しているからだ」と指摘していたが、あながち嘘ではないのだろう。また、「大量に薬を出したがる医者は二流だ」とも書かれていたが、これも事実みたいだ。それを裏付けるような話を最近耳にした。
先日、友人の一人が職場でのパワハラに遭い会社を辞めた。そして、心療内科に通い始めたのだが、あまりに多くの薬を処方されて驚いたという。神経科の薬なのに、ここでも胃が荒れるからと言って胃腸薬を出されたそうだ。
元々、薬に対して懐疑的だった友人は、いとこの薬剤師に処方された薬のリストを見せながら話を聞いた。
すると、薬剤師は「これは出し過ぎだ」と断言した。そして、「出し過ぎる医者はやぶ医者だ」と、週刊誌と同じようことを言っていたも。
薬剤師の中には、薬の出し過ぎに対しては疑問を持っているらしい。しかし、「医者のやることを批判しない」「処方されたものは黙認する」という、暗黙のルールがあるとも教えてくれたそうだ。これは超オフレコなんだそうだ。
本当に良い医者は必要最低限の量しか出さない。高齢の患者などは大量に出されることで安心する人が多いというし、神経科に通う人にもその傾向があるらしい。それでも絶対に出さない医者は、やはり良い医者なのだろう。
その後、友人は薬を全て廃棄したという。そして、薬に頼らず心身を癒す治療を試みて快復に転じている。
神経科の通院患者でカウンセリングにより立ち直ったという話は聞くが、薬で治った人は私の周りでは皆無だ。
私の父が認知症の疑いで治療を受けた時、大量の薬を処方されたのを見て吐き気が起きた。逆に毒に侵されて死んでしまうのではないかと思ったほどだ。
今まで何人もの神経科の医者の治療法を見てきたが、患者を見ずにパソコンで打ち込みばかりしているし、カウンセリングらしきことはやらないし、態度は偉そうだし、家族の話はまるで聞かない…と共通していた。だから薬の投与に頼るのかと思った。全ての医者の診療方針がそうではないのだろうが、私自身はもう信用できないと思った。
長年、鬱病を患っている女友達がいる。彼女は20年以上前に、夫によるモラハラとセックスレスにより発病してしまった。しかし、今では独自の生活様式を見つけて、以前のような精神の乱れは起きず、ごく普通の人生を送っている。
それでも彼女は薬を手放せずにいる。薬が手元にないといつ発病するか分からないから不安だというのだ。薬のお陰で発病が抑えられていると思い込んでいる。そのため一度でも飲み忘れると異常な焦り顔になり必死になって飲もうとする。完全に依存症になってしまっている…。
しかし、それはそれで良いと言う人もいる。患者は薬で安心感を得られており、薬はお守りのようなものだと言うのだ。医者はそれが分かって出しているのだろうか…。
私は胃が弱いのでいつも漢方の胃腸薬を持ち歩いてる。鬱の薬もそのようなものなのだろうかと解釈している。