6月11日のワールドビジネスサテライト「トレンドたまご」のコーナーで
開発中のがん患者向け寝返り支援コルセットの紹介をしていただきました.
http://www.tv-tokyo.co.jp/wbs/trend_tamago/post_1049.html
http://www.tv-tokyo.co.jp/wbs/toretama_syuzai/post_1048.html
連絡をして頂いた方は大変ありがとうございました.
メディアを通して少しでも多くの人に我々の研究を知って頂けたら幸いです.
私自身は別件でオンエアーを見ることはできませんでした...
放送ではたぶん説明されていないと思いますので,せっかくですのでこの研究の大切さを書いてみたいと思います.
(あくまでの個人的な見解です.大学,教授,共同研究先とは全く関係ありません.)
VTR中に述べられているように,もちろん技術的には筋電信号という生体信号から寝返り動作を認識し,
その認識結果を踏まえた上で人工の筋肉により動作をサポートするということが大事です.
ただ個人的には筋電信号,人工筋を使った研究というのは学術としては非常に大事でそれらを使う理由は十分にあると思いますが,ビジネスの視点から考えたときに,最も安全,かつ信頼性が高く,そして短期間である一定の医学的・経済的効果をもたらすという問題を解決するための最適手法ではないとも思っています.
この研究の通して本質的に考えたことは大きく分けて2つあります.
まずはパッシブであるということです.
この機器を付ければ自動的に寝返りをできるというわけではありません.あくまでも大事なことは寝返りをしたいという意志を患者さんが持つことです.その意志を実現するための十分な筋力を有している人は,最期まで尊厳を持ってやりたいことを自分でやるという自発的な気持ちをサポートするものであるということです.そのためには必ずしもアクティブに力そのものをアシストする必要はなく,対象とする疾患によっては今回のように可動域を固定してあげるというパッシブなサポートが重要になると思っています.また,ただパッシブにするだけで,患者さんだけでなく介護する方も負担もかなり低減されるということも大事だと思っています.
そして2つ目はQuality of Deathという考え方です.
近年Quality of Life (QoL:生活の質)という言葉は頻繁に色々なところで取り上げられ,一般にもなじんできたように思います.QoLという言葉は,いかにLife(生活,人生,命)を充実させるか,いかによく生きるかということにフォーカスを当てているように感じます.もちろん,QoLを高めることは大事であることに疑いの余地はありません.ただ人間は必ず死にます.幸か不幸か死を避けることはできず,生きることは死に近づくことです.それであるならば,いかに死ぬかということに対して,もう少し焦点を当ててみても良いのではないかと考えています.死をどのように迎えるのかに焦点を当てた研究があっても良いと思っています.確かにそのような研究は人の命を助けることはできません.寿命を長くすることもできません.それでもどれだけ良く死ねるか,つまり高いQuality of Death(QoD)を実現できるのかということはスゴク大事なことではないでしょうか.そのような研究がもっとあっていいと思います.できれば苦しまずに笑顔に亡くなることができれば,本当に幸せなんだと思います.
これだけの表現だと誤解を招くことがあるかもしれませんが,この2つが恐らくテレビだけでは伝わりにくいと思うけれど,研究を通して私が最も表現したかったことです.
開発中のがん患者向け寝返り支援コルセットの紹介をしていただきました.
http://www.tv-tokyo.co.jp/wbs/trend_tamago/post_1049.html
http://www.tv-tokyo.co.jp/wbs/toretama_syuzai/post_1048.html
連絡をして頂いた方は大変ありがとうございました.
メディアを通して少しでも多くの人に我々の研究を知って頂けたら幸いです.
私自身は別件でオンエアーを見ることはできませんでした...
放送ではたぶん説明されていないと思いますので,せっかくですのでこの研究の大切さを書いてみたいと思います.
(あくまでの個人的な見解です.大学,教授,共同研究先とは全く関係ありません.)
VTR中に述べられているように,もちろん技術的には筋電信号という生体信号から寝返り動作を認識し,
その認識結果を踏まえた上で人工の筋肉により動作をサポートするということが大事です.
ただ個人的には筋電信号,人工筋を使った研究というのは学術としては非常に大事でそれらを使う理由は十分にあると思いますが,ビジネスの視点から考えたときに,最も安全,かつ信頼性が高く,そして短期間である一定の医学的・経済的効果をもたらすという問題を解決するための最適手法ではないとも思っています.
この研究の通して本質的に考えたことは大きく分けて2つあります.
まずはパッシブであるということです.
この機器を付ければ自動的に寝返りをできるというわけではありません.あくまでも大事なことは寝返りをしたいという意志を患者さんが持つことです.その意志を実現するための十分な筋力を有している人は,最期まで尊厳を持ってやりたいことを自分でやるという自発的な気持ちをサポートするものであるということです.そのためには必ずしもアクティブに力そのものをアシストする必要はなく,対象とする疾患によっては今回のように可動域を固定してあげるというパッシブなサポートが重要になると思っています.また,ただパッシブにするだけで,患者さんだけでなく介護する方も負担もかなり低減されるということも大事だと思っています.
そして2つ目はQuality of Deathという考え方です.
近年Quality of Life (QoL:生活の質)という言葉は頻繁に色々なところで取り上げられ,一般にもなじんできたように思います.QoLという言葉は,いかにLife(生活,人生,命)を充実させるか,いかによく生きるかということにフォーカスを当てているように感じます.もちろん,QoLを高めることは大事であることに疑いの余地はありません.ただ人間は必ず死にます.幸か不幸か死を避けることはできず,生きることは死に近づくことです.それであるならば,いかに死ぬかということに対して,もう少し焦点を当ててみても良いのではないかと考えています.死をどのように迎えるのかに焦点を当てた研究があっても良いと思っています.確かにそのような研究は人の命を助けることはできません.寿命を長くすることもできません.それでもどれだけ良く死ねるか,つまり高いQuality of Death(QoD)を実現できるのかということはスゴク大事なことではないでしょうか.そのような研究がもっとあっていいと思います.できれば苦しまずに笑顔に亡くなることができれば,本当に幸せなんだと思います.
これだけの表現だと誤解を招くことがあるかもしれませんが,この2つが恐らくテレビだけでは伝わりにくいと思うけれど,研究を通して私が最も表現したかったことです.