手術は
『右側の卵巣を取って迅速病理検査に出し、悪性だったら子宮、両卵巣、卵管、リンパ、大網を取る。』
というものだった。
もちろん、良性なら右卵巣のみ摘出。
でも「癒着がひどそうなので、子宮も一緒に取るかもしれません」と言われていた。
自分の中では
「卵巣は良性。ただのチョコレートのうしゅ。」
って信じることにしていたから案外、手術前はリラックスしてた。
午前中、浣腸をしただけかな?忘れちゃった(^_^;)
手術は2時から。
父が胆嚢を取る手術をしたとき、2時間くらい遅れたから、私も遅れるかなぁなんて思ってた。
それが予定の時間通りに呼ばれ手術室へ。
夫と母、妹についてきてもらったけど、
やっぱりキンチョーしてきて
「手術やらなくてもいいよ。お腹痛くないから治ったし。」ってしきりに訴えてたっけ
それでも、手術室の前では笑顔で
「がんばってくるね!」ってみんなに言ったよ。
この手術室の前で、母を2回、父を1回、次女を1回見送っている。
『手術室の前では笑顔で』っていうのは私の儀式って言うか、お互いが安心できるようにってことでしてるよ。
手術室の前室に入ると、前日来てくれた手術の担当の看護師さんと他2人くらいの方がいて
みんな若くてきれいでニコニコしてた。
看護師さんの手術着は、色違いのパステルカラーでキティちゃんがついててかわいかった。
私がトイレに行きたいって言うと、その手術室の看護師さんが肩を抱いてくれて連れてってくれた。
こんなきれいな人が近くに来ると、女の私でも(おばさんでも)どきどきしちゃったよ
しかも、トイレのドアのまん前で待っててくれた。
あとで考えると、逃げないように見張られてたみたい(笑)
手術室に連れて行かれるて、室内を見たら動けなくなった。
初めて、本当に足がすくむって、こういうことだとわかった。
「手術して大丈夫?これって間違ってない?」
って自分に問いかけたけど、もうあと戻りはできない。
気持ちを落ち着かせるBGMが流れてた。
オルゴール調だけど、これは悲しいJ-POPじゃん!
小さくて狭い手術台の上に寝かされたら、涙が出てきた。
娘たちのこと、夫のこと、卵巣を残したいこと、リンパを取りたくないこと。
どこまで生きられるかってこと。
いろいろ考えた。
(続く)
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