■今月の「たけべ人(びと)」

建部で活き活きと活動する人にスポット。

 昨年の7月豪雨による災害は安全神話の
 岡山に大きな教訓を残した。県民の多くが
 自身にも降りかかるかもしれないわざわいに
 これからどう対処するか真剣に考え始めているようだ。
  今回はそんな被災後に重要な再建資金をいかに
 調達するかをファイナンシャルプランナー(FP)の
 満倉 誠さんにお聞きした。


 (取材・勝部公平 写真・三宅 優)

 

(プロフィール)
満倉誠 満倉 誠(まこと)
 1971年、建部町川口に生まれる。
 福渡高校卒業後、企業に就職。営業一筋に20年を経た後、2009年独立。
満倉FP事務所」を設立。
 現在、ファイナンシャルプランナー、
 宅地建物取引主任者
 トータル・ライフ・コンサルタント
 損害保険募集人の資格を持つ。 
 建部川口在住。  

  

 


満倉誠

(勝部)満倉さんはここの生まれですよねえ、同級生にはどんな人がいますか
 (満倉)「この前、たけべ新聞に岩崎君が載ってましたよねえ、彼とは小、中といっしょでした」

(勝部) 「ということは、すぎ茶屋の杉本君や、松下君横原さんといっしょなんだ。この歳の人って地元で起業する人が多いねえ」
 「そうですねえ、松下君も建築の方をやっていて事務所を自宅に持ってきたみたいですねえ。よくフェースブックでトーコちゃん(松下さんの娘)の写真とか見せてもらってます(笑)」

(勝部) ここは親御さんの実家ですが、戻って来たのはいつですか
 「2008年です、親父が倒れたのでお祖母さんの面倒を見ることになって、それで帰って来ました」

(勝部) それまでは、どんなことをされてたんですか
 「高校を出てすぐに岡山市内の布団屋さんに就職してルート営業をしました。それから印刷会社に入って愛知、静岡とその後、住宅関係の会社に入りました。 ずっと20年間、営業の仕事をしてきました。その頃は夜12時まで働いていました」

満倉誠(勝部) ファイナンシャルプランナーになろうというきっかけはなんです
 「帰って来て、何かしなくてはと思って宅建の資格を取ったんですが、それだけではなあと思ってFPの資格を取りました。大体が営業一筋でお客さんの話を聞くのが好きだったので。でも、まだその当時、FPの認知度も低いのでアフラックの保険も始めました」

(勝部) よくここで、事務所を開く決心をしましたねえ
 「もともと家は親の代まで5代つづく醤油屋だったんですが、ここに醤油を並べていた所を改装して2009年1月に開設しました。 最初は地元を1軒、1軒、飛び込みで回りまして、保険の見直しや開拓をしていきました。訪問先では中々、会えなかったり、断られることもあったんですが、 それまでお袋が醤油で回ってたので話すと、あぁ、あそこの子かなぁって。そんな時、親ってすごいなーって、つくづく思いました」

(勝部) 特に保険業に関わろうってのはどうして?
 「やはりその母親が癌で亡くなったことが大きいですねえ。59歳だったんですが、それまで病気を何もしなくて保険にも入っていませんでした。 その経験、あの時、入っておけばよかったなあって思いました。そういったことでお勧めするんですが、逆にお客様は入らされていると感じられるようで、 でも、実際、癌や病気に掛かると保険はありがたいと思います」

満倉誠(勝部) そうですねえ、僕らも年取ったら取ったで、どうにかなるなんて考えてたら、 人生100年だとか言われて、これから自分の設計をしなくてはいけなくなりました
 「ええ、今は70歳くらいだと若いねーと 言われます(笑)。世間では盛んに長生きのリスクが言われています、そういった意味でご自分のライフプランをしっかり立てることが重要になります」

(勝部) 具体的にはどんな計画を立てるんですか
 「これから先、自分の生活でどのようなことがあるか、例えば家を直すとか、子どもが大学に入るとかそういうライフプランと、どれくらい費用が必要でそれに対して収入はどうなのかのキャッシュフロー表をつくることで、 人生の設計ができるわけです。そんなときに、宅建の知識とかFPとしての見方がお役に立つと思います。 現状をよく理解して、今のうちから備えましょうと提案させていただいてます」

(勝部) なるほどねえ、顧客はどういう人が多いですか
 「個人で60代以上、建部町の方が多いですねえ。とくに今は消費税がアップして、これまで掛けていた保険の見直しをする方が増えています。それと住宅ローンの相談、 手続きのお手伝いの仕事もやっていて、他に損保もあるので広島を中心に中国地方一帯をカバーしてやっています」

(勝部) 建部もこれから川の氾濫や土砂崩れが頻繁に起きるでしょう、自然災害に対応した保険が必要ですよね
 「今の時代、何が起きるかわかりませんのでねえ。火災保険は災害対応だけでなく、火事後の片づけ費用とか盗難、テレビを壊したとか天井の水漏れにも出るので 適応範囲が広いと思います。地震保険は任意ですが、南海トラフとかもありますし、地震による火災は地震保険でしか適用されません。何とかなると皆さん考えられますが、 その時になると、あれに入っておけば良かったと・・・」

満倉誠(勝部) そうですね”備えあれば憂いなし”ですが、中々そうはいきません
 「実際、火災保険に入っていたかどうかで、被災されて仮設住宅に入られた方が、新しく家を建てて出て行くのが早いかどうか分かれる現実があるわけです」

(勝部) 日頃から再建するための費用を積み立てておくのが、保険ですね
 「その通りだと思います」

(勝部) ありがとうございました

   「満倉FP事務所」
 岡山市北区建部町川口553番地
 ℡086-722-0211 FAX086-722-0215
 mail:info@mitukura-fp.com

 フェイスブック

 

(記者感想)

 
満倉誠 建部のような農村部で、人生の設計について相談できる人がいるということは心強い限りです。
日中はほとんど外に出ているということで、その間、事務所を任されている地元の森本さんが、 代りに相談に乗ってくれるそうです。
 帰りに、後ろにある醤油蔵を見せてもらいました。
 「よく、夜中にオヤジがもろみを混ぜに蔵に入っていました。小麦から大豆まで一から作りょうたです、大豆に水を入れふやかして、薪で炊いて小麦とあわせて、 藁のゴザにのせて、もろみに入れて、小さい頃から見ていてたいへんだなぁーって。当時は箱で醤油を買っていた時代で、よくビンにラベルを貼る仕事を手伝ってました」
 懐かしそうに、そう話してくれたことが印象に残りました。
(勝部 公平)