”自ら命を守れ”マイ・タイムライン作成が生死を決める 2019年9月11日発信
自然災害との戦争が始まった、悲しいけどそう認めざるを得ない。この日、公民館で開かれた「また来る災害に備える」~わが家を守る・地域を守る~と題しての講座、 お話をしてくださった岡山大学大学院環境生命科学研究科教授、西山哲先生の講演を聞き終えての 感想。今月3日夜の新見の例(1時間に120mmの雨)が生々しい。
以下、先生のお話を断片的だが記してみたい。
通常、1h・50mmの雨は「バケツをひっくり返す雨」と言われる、この発生回数が過去(1975年)に比べ現在1.4倍に増加。逆に弱い雨は減少し、 「たまに降ればどしゃ降り」が多くなる。
それだけでなく、線状降水帯と呼ばれる「いつまでも降り続く状態」が発生しやすくなっていて、 50㎜の雨が4時間続いた場合200㎜に達し、これは今の日本のインフラ構造物が200㎜以上に耐えられる設計ではないため崩壊を意味する。
この場合、どこに逃げてもダメで、”自ら命を守る”しか方法はない。そのための3つの要素、「知る」「準備する」「行動する」=「マイ・タイムライン」作成が重要となる。
タイムラインとは「いつ」(=主な災害の発生時点から逆算した時間帯)、「何を」(=事前に行う防災行動内容)、「誰が」(=防災機関や組織または住民)を基軸に 防災に係わる組織が連携し災害に対するそれぞれの役割や対応行動を定めたもの。
住民行動を例にすると、
「台風上陸の予報(3日前)」この時点ではタイムラインレベル0⇒心構えを高める
「台風が近隣河川に影響の恐れ(2日前)」レベル0⇒さらに準備を進める
「上陸、内水(道路に水が溢れる)氾濫発生の見込み」レベル1⇒心構えをする
「内水氾濫発生」レベル2⇒避難行動の確認
「河川の氾濫による浸水発生(外水)」レベル3⇒高齢者避難、住民準備
「氾濫危険水位過(外水)」レベル4⇒避難
「堤防決壊、土砂災害発生」レベル5⇒命を守る最善の行動
ただし、岡山県は内水が最も多く、レベル2での避難が望ましい。なぜなら道路は一瞬で川になり、ここを土石流が流れだすと避難場所にたどり着けない。
これを、自分に置き換えて具体的にどうするかが「マイ・タイムライン」
その1「知る」=命を守る情報を知る(避難を経験する・自分のハザードマップを作る、そのために実際に避難所まで歩いてみる、夜間に歩くなど避難先迄のリスクを知る)
その2「準備する」=命を守るための行動計画(いつ逃げる・誰と逃げる・危険な場所を避けて逃げるには?を決めておく)
その3「行動する」=命を守るための実践(家族で話し合い、一人でも逃げることを確認、”私は逃げているから”が他人、家族を救う)
目指すのは「逃げ遅れゼロ」。
そのためには、家族、地域でのコミュニケーションが極めて重要
⇒災害に強いコミュニティ作り
あらためて記者の感想。
60歳以上に多い「今まで何もなかったから自分の所は安全」と考える傾向。
しかし岡山県は洪水被害が大きな県として、過去10年間で7番目であることはあまり知られていない。
この日の参加者もほとんどが年配者で自治会の長が中心。
「いい話を聞いた、が多分、大丈夫でないか」で終わるのだろうか。
「今までとはまったく違う時代になった」としっかり受け止めたなら、次なる行動はすぐにも浮かぶはず。
みんなでタイムラインプロジェクト・国土交通省関東地方整備局
マイ・タイムラインで豪雨に備えを(NHK解説委員室)
(取材・写真 三宅 優)