■道場に「イェー!」の気合。竹内流の初稽古を観る!         2017年1月7日発信

竹内流初稽古竹内流初稽古 開祖、天文元年(1532年)から485年に渡り、一子相伝で守り続けられてきた古武道竹内流。その稽古始めが 今日、鶴田の角石谷道場で行われた。
 稽古には竹内流武術相伝家十三代目、竹内藤十郎(本名/竹内武夫)氏、ご子息の竹内秀将・道場長、神崎勝・師範代、 門弟の國政知宏さん、谷川正明さん、山田知加子さん、須田篤さん、金島洋大さんが参加。
 甕の水も氷る朝の角石谷だが、ここ道場は遥か高台に建ち、陽がまっすぐに当たって暖かさを感じるほど。十三代目との久しぶりの ゆっくりした時間に勝部編集長もついつい昔話に花が咲く。道場の一つ「昭和道場」では、すでに気合の入ったかけ声と棒の ぶつかり合う音が聞こえる。さて見るも、聞くも、初めての記者(三宅)は、恐る恐るに中へと入る。 竹内流初稽古竹内流初稽古

 「イェー!」腹の底から飛び出たかの声と「カーン」という木刀が打ち合う音、白の胴着、黒の袴、二人がにらみ合う。まさに、これは 真剣勝負。手にするのは木刀だが、これが本気で振り下ろされるとその迫力たるや半端ではない。まかり間違って身体のどこかにでも 当たろうものならと考えると、それだけで身が縮む。
 いくつもの武術で成り立つ竹内流、「羽手(はで)」と呼ばれる柔術の稽古も激しい。 柔道と違い、道場は板間。ここで投げ落とされるのだから、熟練者でないと投げられる側には回れない。 竹内流初稽古
 練習のあとは、いよいよ武術奉納。 流祖、竹内久盛が出会ったと言われる愛宕神と摩利支天の祀られる道場へと移る。胆を抜かしたのは、十三代目がこの日、特別に観せて くださることとなった真剣による演武。神崎師範代の長刀、構えるは十三代目竹内藤十郎の小刀。「ギィヤー!」長刀が振り落とされる間の一瞬に 小刀が胸先に。 


 和気あいあいの新年会。奥様が用意して下さったごちそうを頂きながら、一人づつ今年の抱負を語った。
竹内流初稽古
十三代目「今年は四百八十五周年になる。DVD も発売予定で、区切りとなる行事を実現できたらと考えております」 
竹内道場長「正確な術を伝えるよう努力したい」
神崎師範代「支部の指導と併せ、門人を増やす。昭和道場の改修も進めたい」
國政さん「基本をしっかりやり直して、身につける」
谷川さん「スポーツをやっているので、武道との共通する点を自分なりに見つけていきたい」
山田さん「四年でまだ素人。今年は小具足を学びたい」
須田さん「今年、二〇歳になるので、酒を飲んでも飲まれないようにしたい(笑)」 
金島さん(中三)「多くの術を覚えたいです!」 

 初取材を終え、帰る記者の脳裏には「この伝統武術、未来永劫に伝えなくては」そんな思いが駆け巡っていました。