■今月の「たけべ人(びと)」
建部で活き活きと活動する人にスポット。
第10回は「Heart Up World」の佐藤 義寛(よしひろ)さん。
(プロフィール)
佐藤 義寛(よしひろ)
昭和47年生まれ 44歳。
建部町福渡生まれ。広島の自動車短大を卒業後、津山市のカーディーラーでメカニック・
フロントマンとして16年勤務。
退職後、根っからの車好きから建部町川口に自ら車販売の会社を設立。
現在「Hart Up World」株式会社 代表取締役
(聞き手 三宅)お住まいは福渡ということですが小さい時からこちらですか?
(佐藤)「そうです、福渡第二保育園、福小、建中です。実家は今も八幡神社の前にあります」
じゃあ、近くの石引川とかで遊んでたわけですね?
「ええ、釣りをしたり、ドジョウを捕ったり、縄張りにしてました。そばの坂(旧津山街道)を自転車でジグザグ運転したり、ラジコンカーを走らせたり遊びまくってましたねえ」
そのころから動くことが好きだったんですね。車をやろうと決めたのはいつからですか?
「高校時代の部活は陸上スプリントでしたが同時にバイクにはまって、卒業してまっすぐに自動車の学校に行きました。その後、津山のカーディーラーに就職して、 メカニック、営業を16年やりました」
独立されたのはどうしてですか?
「ずっと、D1レースをやってたんですが、土日に開催があるので思う存分したいということがありました。で、だったら自分でやりたいことを仕事にしながらと考えて、 2008年に整備工場を始めたんです。初めはこんなに大きくするつもりじゃあなかったんですが」
それからわずか8年でここまでになった訳ですが、その要因は何でしょう
「お客様のメカニック相談とかに応えていくうちに、だんだんと広まっていったというのが現状ですね。資金面では地元の銀行さんが支援してくれました」
現在、社員の方は?
「20代から60代の正社員9名です。うちメカニックが2人。女性2人と男性7人の構成です」
企業としてのこだわり、ポリシーは何ですか
「自分だけの一台を手にしてもらうこと。そのためにパーツブランド(KOKORO)を立ち上げました。車種も万人向けしない稀少車、ドリフト競技車、カスタムカーとか 他社にないものをそろえています。それと”車楽伝承(しゃらくでんしょう)”という企業理念で、 とにかく車の楽しさを知ってもらい、あらゆる車に関する総合的案内所を目指そうと考えています」
今、話題のEV(電気自動車)の高級スポーツカー「テスラ」も持たれてますね
「はい、岡山で最初にテスラのパーツも取り扱いを始めました。これからはガソリン車だけでなく、地球環境にやさしいEVカーが重要だと思います。 そのために、EVスタンドも設置しました。お年寄りが、ちょっと近くまで用事に出る、そんな時にガソリンスタンドまで行って給油するのは大変ですし、 自宅で混合油を間違って入れることもあります。電気自動車はコンセントにつなぐだけで30キロ程度なら走れるわけですから、これから高齢者に 限らず、その普及を進めたいと考えています」
レースの方はまだやられていますか?
「ええ、今は”ハートアップワールドwithスノコ”というチーム名で出場しています。やはり自分らで実際にレースでつちかった経験が、 お客様に車を勧める上ですごく説得力があると感じます」
これからやりたいことは?
「建部を中心に企業の展示会、ビックサイトのようなものを開けたらいいなあと。文化センターなんかで、町中を巻き込んでやれたら面白いと思います」
そりゃあ、面白い、町が元気になる。実現しましょう!
(記者感想)
最初、この話をもらった時、電気自動車を持つ社長さんというだけで今一つ興味が湧きませんでした。それで、少し情報を 集めてみました。そうして、”とんでもない車好き”が高じて会社を設立した人だとわかりました。
「自分の一番好きなことを仕事にしている」これは多くの若者への道標となる、ぜひとも話を聞きたいと思いました。お会いすると、まさにその通りで、言葉のすべてに車への愛情、熱意が満ち溢れていました。 ショールームのあちこちには遊び心いっぱいのオリジナルグッズ、企業カラーの自動販売機まで。こりゃあ、半端じゃあない、そう確信。
また、この取材で初めて義寛さんが、私の近くで親しくお付き合いさせていただいている佐藤家のご子息と知りました。 言われてみると笑顔が御父上に瓜二つ。「地元で育った子が、地元で仕事を起こす」建部の可能性を知りました。
(写真 松下りえ)
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