■障害を持つ子の親たちが抱く「私、亡き後」の不安。     2016年10月18日発信

なでしこ会なでしこ会 建部町公民館で開かれた「なでしこの会家族会」と「NPO法人なでしこ会」の主催する講座を受講しました。
 「統合失調症」。100人に1人弱の割合で誰でもが罹る可能性のある心の病。今日は、岡山市にある社会福祉法人 「あすなろ福祉会」からスタッフとご自身が当事者でありサポターでもある、お二人が招かれお話をしていただきました。 はじめに会のスタッフの方から、今の障害福祉サービスの概略説明があり、一人一人の困難のありようによって、いくつもの 支援が組まれていることがわかりました。1人で出かける時の付き添いヘルパー制度、泊りがけで行く時のヘルパー制度など。 このあと、自らが統合失調症の病気を持つ二人の女性が「元気になれたそのきっかけ、できごと」について話されました。
 「私は幼い頃から看護師になるのが夢でした。そうして高校からそれに向かって勉強をしていたのですが、 何度か自分はダメなんじゃないかと思うことがあって、だんだんと閉じこもっていくようになりました。 そのうち幻聴が聴こえるようになって、眠れなくなって。でも、こんなことじゃあだめだと、外に何とか出て行って、 自分の話を聞いてもらい、また、自分だけでなく同じ仲間がいることを知りました。元気になれたのは”福祉”と繋がった からだと思います。それと自分らしい生活ができていることも自信になっています。同じ障害を持つ人たちには、 まず自分のできることからして欲しいと伝えたいです」
 「私は40代ですが、親が80を過ぎて、まだ元気で私のことを面倒を見てくれているので助かります。でも、やがて私が親の面倒をみる立場に 立つと思うので、そんなことができるだろうかと心配です。私は好きで病気になったわけではなく、むろん親の責任でもなく ただこうなってしまった。ですけど、何とか自分も人に役立つことをしたいので、そんな時、役に立ってるよと言われるとうれしいです。 今は障害を前面に出すのではなく、自分の一部と受け止めています」
 お二人のお話を伺って、家族会、ボランティア、スタッフでワークショップを開きました。
 「こんな不安がある」→「だから、こうなるといいね」
 ある方は「(大丈夫!)お母さんは120歳まで生きる」と書かれていました。 また、この話しが進む内に、このことは障害者だけのことではなく、社会で助けを必要としているすべての弱者(特に高齢者)に 関わる問題だとわかりました。そのために、こんな世の中にしたい、こんな町にしたい。 すなわちそれは「みんなで理解し合い、一人一人を大事に見守り、声をかけあって助け合う」 そんな地域社会の再創出なのだと改めて気づかされました。